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R18+の話題作『お嬢さん』のパク・チャヌク監督、「快楽を追求する勇気を」

 サラ・ウォーターズの人気小説『荊の城』を原案に、『オールド・ボーイ』『渇き』の鬼才パク・チャヌク監督が映画化したサスペンス『お嬢さん』(R18+)が3月3日(金)から公開になります。  日本統治下の韓国を舞台に、富豪一家の財産をめぐって詐欺師が企てた計画とてん末を、日本と韓国、ヨーロッパの文化が入り混じる独特の世界観で描く本作。
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『お嬢さん』より

 ヒロインふたりが大胆な裸体を披露しているのも話題です。現在、世界中の映画祭で外国語映画賞に73ノミネート、33受賞を記録している『お嬢さん』を引っ提げて来日したパク・チャヌク監督に話を聞きました。
パク・チャヌク監督

パク・チャヌク監督

原作者も映画のエロチックさに驚き

――映画化に際して、ここだけは原作の要素を残そうと意識された点と、監督らしさを出したところは? 監督:構成が第一ですね。原作は三部構成になっていて、二部を読んだ時に、観客は一部で読んだことをもう一度なぞるんですけど、同じ出来事を別の観点から見ることになる。それによって真相を知り、事態の全貌が分かるという構成になっている。とても興味深い構成ですし、教訓も与えてくれると思いました。やはり物事は一方的な見方だけでは全体像が分かりません。この、別の角度から見るというやり方はしっかり守って映画の中にも持って行かなければと思いましたね。  それから大事にしたのは、女性ふたりによるベッドシーンです。(詐欺師から送り込まれた)メイドがお嬢様に、「男性はこういうことを望んでいます」と教えるのですが、ふたりは互いを想うようになりながらも、思惑があって演技をしている。ここも映画に持ち込みたいと思いました。 ⇒【写真】はコチラ https://joshi-spa.jp/?attachment_id=667907
『お嬢さん』より

『お嬢さん』より

 私らしさから挙げると、お嬢さんの尖った歯が口の中の肉に当たってしまうのを、メイドが痛くないようにしてあげるシーン。あそこも原作を維持しながら、映画のなかではもっと大きく見せたいと思いました。原作ではお風呂のシーンではありませんでしたが、映画ではお風呂でのシーンに作り替えています。原作者のサラさんが、「ここのシーンは、おばあちゃんがあんな風にしてくれたという記憶のある、自分の子供のころの体験に根差したシーンだったので、映画ではまさかこんなにエロチックになるとは思わなかった、妙な気分です」とおっしゃっていました(笑)。
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映画館で111回観たという女性客も
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