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子供の学校説明会にライダースで行ってはいけない【シングルマザー、家を買う/62章】

シングルマザー、家を買う/62章>  バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。  息子は4月から、養護学校に進学することが決まった。 “他の子と違う”と気づいたのが2才。それから徐々にみんなの成長に追いつかないことに悩んだりもしたが、息子は息子。キレイごとでも冗談でもなく、いてくれるだけで幸せに思える可愛すぎる存在の息子は、言葉を持たなくても吉田家のアイドルとして君臨し続けている。 吉田家のアイドル そんな息子が進学するのは、地元でも大きな高等部まで直結となる養護学校。ある意味、ストレートのエスカレーター式! 小学1年生で入学すれば、中等部はもちろん、18歳まで職業訓練もしてくれて、職業のあっせんもしてくれるときたもんだ。さすが行政。やるときはやってくれる。

ママ友づくりは“あの恐怖”を甦らせる

 そんな学校の第一歩となる入学説明会が行われた。  学校の門を開けると、多くの先生たちが待ち構えていたかのように迎えてくれて、一人の生徒につき一人の先生がついてくれる。先生が子供たちを見てくれているあいだ、親たちには教室で説明会が開かれる。息子はすぐに持ち前の愛想でニコニコと手を振りはじめ、早くも“かわいい~”と言われまくりである。さすがすぎる……。  息子を男の先生に引き渡して教室に移動すると、6人掛けのテーブルのうちの1つに座った。まだそこには誰も座っていない。ほかの6人掛けのテーブルには、早くも小さなグループができており、子どもたちの様子や、どんなものを用意するのかなど世間話に花が咲いている。すぐとなりのテーブルでも早くも連絡先の交換が始まっている。  これから始まる学校生活、知っている親が多いほど情報も多い。小学校生活では何かと“ママ友”が必要になってくるのだ。それは春に小学4年生になる娘の時に承知していること。でも、娘の小学校は保育園から20人も同じ小学校に進学したので、ほとんどが知人だ。新しくママ友を増やす必要がなかったのは、今思うと、あれほど気楽なことはなかったと思う。  しかし、ここは違う。  久しぶりに感じる疎外感……。すでにグループから外れたこの緊張感……。普段、会社に属していない個人事業主の私にとって、こういった大勢の新しい場所にポンと置かれることは、実はすごく緊張するのだ。そして、気弱にもなる。  その後、何人も何人も教室に入ってくるが、一向に私の周りには座ってくれない。自然と周りの話し声が大きく聞こえ、さらに不安に駆られる。あ~、この感覚、10代の時に感じたことあるわ~!  その空気に耐えられず思わずトイレに向かうと、鏡の中には黒髪ショートにライダース、スキニーパンツにブーツという全身真っ黒のめっちゃロックな自分がいた。 シングルマザー、家を買う/62章 あ、これか……。
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ライダースってすごい
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