こんな“おりもの”は危険。感染症やガンのサインも…【女医に聞く】
常に女性の体から分泌されている「おりもの」。これってそもそも何なの? 病気の時には変化するの? そんな疑問を解消すべく、女性特有の悩みを専門としている産婦人科医・上田弥生医師にお話を伺ってきました。

――そもそも、おりものとはどういう成分からできていて、どういう役割があるのでしょうか?
「正常な状態のおりものは、
①外陰の皮脂腺、汗腺、バルトリン腺、スキーン腺
②膣壁からの漏出液
③膣や子宮頸管からの剥離細胞と頸管粘液
④子宮内膜や卵管からの分泌液
⑤微生物やその産生物
で構成されています。
『頸管粘液』は排卵期には精子を受け入れ、排卵期以外には精子の侵入を妨ぎます。閉経前の女性の膣粘膜は膣内を酸性に保ち、膣内に侵入する病原菌の増殖を阻止したり、子宮や卵管、腹腔内に細菌感染が起こるのを防いだりしているのです」(上田先生、以下同じ)
――おりもの量や色、においから、病気のサインを読み取ることはできるのでしょうか?
「まず、感染症や悪性腫瘍で量が多くなることがあります。
カンジダ膣炎であれば、悪臭はしないものの、白くて粥、あるいは酒粕のような状態のおりものになります。
トリコモナス膣炎は悪臭のある黄色い、泡沫状のおりものになります。
淋菌に感染しているときは膿(うみ)のような状態。
細菌性膣炎は白から淡い黄色のおりものになったりと、婦人科系の疾患でおりものの状態は変わってくるんです」
――おりものに血が混じっている時も、何か病気のサインが隠されていることがあるのでしょうか。
「子宮頸部に悪性の腫瘍ができているときは、水っぽいおりものが多くなることがあり、褐色や血性のおりものが出ることもあります。
生理のとき以外に出血がある場合は、排卵出血など病気ではない出血のこともありますが、すみやかに婦人科を受診した方が良いでしょう」

そもそも、おりものって何?
病気ごとのチェックサイン

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