ダブル不倫の代償「お互いにバレて、すべてを失うまで」
携帯電話とメールが登場して以来、すっかりカジュアルになった不倫。でも、ひとたびバレたらどんな修羅場が待っているのでしょうか?
ダブル不倫をしている女性・藤村綾さんの場合、その代償は大きなものでした。前編に続き、以下は藤村さんの独白録です。
あたしと男の関係は誰も気づいていないと思っていた。慎重に行動をしてきたつもりだった。でも、女はするどい。2年くらい経ったころ、奥さんが男の行動を怪しむようになった。
一番の理由は、奥さんを抱かなくなったからだ。男はあたしと身体を重ねる前は、週に1度はしていたという。
「嫁さんを抱けなくなった。抱いても勃たなくなった」と。
奥さんは「どうしてなの? あたしじゃダメなの?」と泣いて混乱したらしく、そのことがきっかけになって、男は常時監視をされ始めた。
電話がしょっちゅうかかってくる。メールも頻繁にくる。一緒にいるときに限って電話がかかってくるので、盗聴器がついているのかと疑ったほどだ。
そんな危険にさらされていても、逢ってホテルに行った。あたしはなんとなく嫌な気がした。
男が、奥さんは多分不倫をしていることを知っている、と初めて口にしたのだ。そして、うつむきながら申し訳なさそうに言葉を継いだ。
「しばらく距離を置こう」
あたしは耳をふさいだ。「嫌だ、なにを言っているの! 絶対に嫌だ!!」。男の言葉をさえぎって、まくし立てた。
と、そのとき、男のiPhoneにメールが届いた。奥さんが男のスマホを同期させ、位置情報を検索したのだ。そして、次の瞬間、あたしのケータイに電話がかかってきた。知らない電話番号。
男に見せると、「嫁さんからだ」と、いやに冷静な口調で言った。電話には出るな、と男に言われた通り、出なかった。奥さんはあたしの電話番号を盗み見ていたのだろう。
怪しいと思っていた矢先に位置情報を検索したらラブホテルだった。奥さんはいてもたってもいられずにあたしに電話をかけてきた。完全にばれている。
その日も、いつものように抱き合った。だけど、いつもとは違う拷問のようなセックスだった。
奥さんの立場になって考えるとぞっとした。いつも情事の後、あたしは男との出来事を小説のようにして、男にメールで送っていた。奥さんはそれをすべて読んだのだ。
だからあたしたちが逢う日もだいたい把握していたし、すべてお見通しだったわけだ。男はすべてを奥さんに話し、もう逢わないと約束していたという。
実のところ、あたしもメールを旦那に見られてしまった。「出ていけ!」と罵声を浴びせられ、娘だけ連れて何も持たずに家を出たあげく離婚した。
あたしは、男も自分の家族も一気に失った。
不倫が奥さんにばれて修羅場に…
「出ていけ!」夫に離婚され、すべて失った
1
2