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「私なんか幸せになれない」自分を低く見積もる女性たち【北条かや × yuzuka】

 今年4月に5冊目の著書『インターネットで死ぬということ』を上梓した著述家・北条かやさんと、精神科や美容外科の元看護師でエッセイストであるyuzuka(ユズカ)さんの対談。  1回目に続き、第2回目は、取材や恋愛相談、実生活で感じた「女性の生きづらさ」についてトークを展開します。
女性対談05

北条かやさん

「女様が言ってるよ」と叩かれた

――お二人が実際に「女性は生きづらい」と感じた場面は? yuzuka(以下、yu):私は男性が持つ「女性への差別意識」が根強い現実を、ツイッターを通じて目の当たりにしました。  私は正直、女性差別って今の日本社会でそれほどあるのかと思っていたんです。看護師として働いていた頃も、女性だからと差別された記憶はなかったので、メディアが大げさに伝えているだけなんじゃないかと。  でも、ツイッターで「共働きの時代なのに女性だけが家事を担当するのは女性差別だ」というツイートをしたら、男性から「“女様”が言ってるよ」とバッシングされたことがあって。 北条かや(以下、北条):おそらくその男性は、yuzukaさんのつぶやきが多くの女性の声を代弁していると考えたんでしょうね。“女様”という言葉がその心理を的確に表わしているじゃないですか。  “女様”の意味は、「女のお前が俺たちを上から目線で見るのはムカつくから、俺がお前の間違いに気づかせてやるよ」というアピールですもんね。蔑みの一種というか。 yu:痴漢に関する内容をつぶやいても、かなり批判されます。ある男性からは「痴漢なんて、ただ触られただけで大したことないじゃないか。間違われた男がどれだけ社会的に苦労すると思っているんだ」と言われました。でも、これって女性が社会に出ていない前提での発言ですよね。 北条:電車には男性も女性も乗っていて、配慮し合うのが当たり前なのにね。

昇進を断ってしまう女性も

yu:女性を差別する意識を持った男性が社会に多いままだと、差別意識を嗅ぎ取った女性にも悪影響を与えてしまいます。男性から上から目線で見られていると感じた女性の自己評価が、より一層下がってしまうんですよね。 働く女性北条:日本ではいまだに「女性は男性より2歩、3歩下がるべき」という概念が根づいているから、社会に出た女性の自己評価はもともと男性より低くなりがちなのに、ますます下がってしまうという悪循環ですね。私はワーキングマザーを取材したコラムを執筆するときに、「女性の昇進意欲が低すぎる」という男性社員の意見を聞き、真相を確かめました。  すると、「自分が昇進すると確実に忙しくなるから、夫と子供が不幸になる」と尻込みして、実際に昇進を辞退する女性が多かったんです。昇進すると「出る杭は打たれる」の“杭”になってしまうのではないかと思い込み、辞退する女性もいました。
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女性が抱える「成功不安」とは?
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