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主演は「ちょっとバカ」!? 『魔女の宅急便』監督らが明かす撮影秘話

 宮崎駿監督のアニメ版でも有名な角野栄子の児童文学「魔女の宅急便」が実写映画に。メガホンをとったのは『呪怨』シリーズで知られるホラー界の鬼才・清水崇。オーディションでキキ役を射止めた小芝風花と、とんぼ役の広田亮平へのインタビューからは、気心が知れた仲間といった空気が伝わってきました。

 一人前の魔女になるために黒猫のジジと、空飛ぶホウキに乗って旅に出たキキ。海辺の街コリコにたどり着いたキキは、パン屋の女主人おソノの家に居候しながら宅急便屋を始めます。そんななか、空を飛びたいと願う少年とんぼと出会い……。

小芝も広田も年齢の割に幼稚なところがいい(清水)



魔女の宅急便

小芝風花さん(キキ役)

――正直、『魔女の宅急便』が実写映画になると聞いたとき、監督がホラー作品を代表作に持つ清水監督だと知って驚きました。

清水:どういうつもりだよ!って思うよね(笑)。

――いえ、そんなことはありませんけど(汗)。

清水:いや、僕も思いますもん。プロデューサー、大丈夫なのか!?って。取り掛かるにあたっては、とにかく愛されるキキを見つけることから始めないといけないなと思いましたね。

――本作を手掛けることに迷いは一切なかったのでしょうか。

清水:なかったです。僕としてはホラーもファンタジーの一部でしかない感覚なんですよ。もともと絵本や児童文学も好きで、絵本も自分で描きたいくらいなので。

――清水監督からみて小芝さん、広田さんの印象は?

清水:ふたりとも年齢(小芝さん16歳、広田さん17歳)の割に幼稚な部分をすごく持ってる。悪くいうとバカ。いや、いい意味でね。

小芝:え~!

広田:悪く言うとって、言ってるじゃないですか。

清水:いや、俺も同じだよ。そういうのって大事なんですよ。キキやとんぼにもそうした部分があって、だけど心根はまっすぐみたいな。

――“純粋”ということですね?

監督:そうそう。きれいにいうとそういうこと。言い直しますか。ふたりのいいところは、純粋な部分です(笑)。実際、そういうところが欲しかったんです。

――小芝さん、広田さんはキキととんぼを演じるにあたってどんな点が難しかったですか?

小芝:はじめは、このセリフはこう言うとか、こう動くとか、全部決めちゃってたんです。だから何回やっても同じ演技しかできなくて。それを監督はとても嫌がっていて。小芝から出てきたものがキキなんだから、自然に動いて欲しいって。

台本も1度覚えたら全部忘れるくらいのイメージで臨んで欲しいと言われて。でもちょっとした普通の動きやリアクションがすごく難しくて。何度もチャレンジさせてもらいました。

――広田さんは?

広田:リハのときから自分なりに動いてみるように言われて、僕も決めつけていたとんぼを捨てられた感じがありました。とんぼとキキの関係も、撮影を通して作っていくことができたと思います。

衣装はイチから作っていただきました!(小芝)



魔女の宅急便

左から広田亮平さん(とんぼ役)、小芝風花(キキ役)、清水崇さん(監督)

――キキの衣装も可愛くてお似合いです。

小芝:イチから作っていただいたんです! ホウキの長さもそうですし、衣装はエプロンとワンピースを着てるんですけど、小芝にはこの形のほうがいいとか、リボンはこっちのほうがいいとか。色から何からすべて。とにかく私に合った衣装を作っていただきました。私だけのキキの衣装。すごいですよね!

清水:ここまで衣装にこだわったのは初めてでした。靴もゼロから職人さんに作っていただきましたし、衣装も生地から選びました。今回は相当、衣装にこだわりましたね。

広田:僕も衣装合わせのときに着てみて、これしか合わないなと感じました。実は最初の頃に監督から自分が思うとんぼの衣装のイラストを描いてきてって言われて、いろいろ描いたんです。

小芝:私も言われた……。

――イラストですか!?

広田:そうです。自分で。キキ(小芝さん)の絵心は……。

小芝:それ、言っちゃだめ!

清水:ぜひ、舞台挨拶でお披露目したいね。

小芝:いやだ~。

清水:俺、今でも持ってるから(笑)。

自分の好きなこと、得意なことが魔法なんだなって(小芝)



――最後の嵐の中でのクライマックスに引き込まれました。大変な撮影だったのでは?

魔女の宅急便

映画「魔女の宅急便」より

清水:芝居だけでなく、雨や風の状態などスタッフも一丸となってやらなければ成立しませんからね。大変ではありますが、映画作りの醍醐味でもあります。

小芝:とにかく自分ができることをしっかり頑張ろうと思って挑みました。洋服の生地も水をはじく素材ではなかったので、染み込んできてすごく重かったりして大変でしたけど。

でもスタッフのみなさんが本当に気を使ってくださって、シーンが終わるたびにタオルを一斉に持ってきてくださるんです。みなさんも濡れているのに。

清水:今の言葉を聞いて成長したなぁと。実際の撮影に入る前に、雨風を降らせてワイヤーで小芝を吊ってリハーサルしたんです。その帰り道、「あー、もうどれだけ大変だったか!」的な感じだったんですよ。

だから「いや、あなた、カメラ止めるたびに毎回タオル持ってきてもらってたでしょ。ほかのスタッフは誰もタオルを渡されずにびしょ濡れだったじゃん!」って言ったら、「あ、そっか!」って(笑)。でもそうした感じがキキの入り口なのでそれでいいと思ったんですよ。

――最後に小芝さんから、こんなところを観て欲しいといったメッセージを。

小芝:自分の魔法を見つけて欲しいです。原作者の角野さんとお会いする機会があったときに、魔法って誰にでもあるのよとおっしゃっていて。そのときは分からなかったんですけど、完成した作品を観て、キキは空を飛ぶ魔法があって、コキリお母さんは薬を作れる。

とんぼは飛行機が作れて、おソノさんは美味しいパンが焼ける。そういう自分が好きなこと、得意なことが魔法なんだなって。だからみなさんにも、映画を観て自分の魔法を見つけるきっかけになってもらえればなって思います。

<TEXT・PHOTO/望月ふみ>

『魔女の宅急便』は3月1日(土)より全国公開
配給:東映
(C) 2014「魔女の宅急便」製作委員会
オフィシャルサイト http://www.majotaku.jp/




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