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濱田岳×岡田将生の凸凹コンビは素晴らしい!『偉大なる、しゅららぼん』万城目学インタビュー

 マキメワールドなる言葉もあるほど特徴的な世界観を持つ人気作家、万城目学さん原作の「偉大なる、しゅららぼん」が、濱田岳さん、岡田将生さんのW主演により映画化。ご本人も太鼓判を押すパワースポット・アドベンチャー『偉大なる、しゅららぼん』について語っていただきました。  舞台は琵琶湖畔の町。代々“不思議な力”を伝承してきた日出家に、修行のため、分家から涼介(岡田)がやってきます。涼介は“生きる伝説”とまで呼ばれる本家の跡取り、淡十郎(濱田)と高校に通うことになりますが、そこには1300年に渡るライバル・棗(なつめ)家の跡取りも。さらには、新たなる“力”を持った敵が彼らの前に突如として現れて!

映画化の話が来たときは、嬉しい反面、悔しさも

――映画化のお話が持ち込まれたときの率直な感想を教えてください。 偉大なる、しゅららぼん万城目:毎回、作品を書いているときは、そんな簡単に映像化はさせないぞと思いながら書いているんです。これは、映像化は無理だろうと思わせたいし。だから、お話が来たときは、嬉しい反面、あ、できてしまうんだという悔しさもありました(笑)。 ――映画化へのOKを出した大きな理由はなんだったのでしょう。 万城目:まずはプロデューサーの方がどう考えているかですね。直接会って、お話をして、この人なら大丈夫だろうと確認してOKを出した。今回、大きかったのは、プロデューサーの山田さんが、実際に滋賀に足を運ばれて、彦根だけでなく、ほかの都市もまわって、島もまわって、このシーンはあの都市のここを使ったんですよね、なんておっしゃっているのを聞いたことです。あぁ、この人なら大丈夫だなと。 ――ここだけは守って欲しい、残してほしいと製作サイドに伝えたことはありますか? 万城目:“しゅららぼん”の意味ですね。最初の脚本には“しゅららぼん”の意味が抜けていたんです。僕にしたら、いや、タイトルやしってなるし。これは入れてくださいとお願いしました。これでは“しゅららぼん”の意味が分からないまま終わりますよって。アイツ、タイトルの意味も考えずに書いてるんかって思われてもね。結果、とても効果的な感じで入れてもらえてすごく良かったですね。

琵琶湖が割れる場面は5分、10分ずっと割れてて欲しかった(笑)

――今回の映画で特によかったと感じたところを教えてください。 偉大なる、しゅららぼん万城目:キャスティングの妙ですね。濱田さんと岡田さんのコンビは、まず身長差が素晴らしい(笑)。なかなかこの身長差を主役級の人で捕まえてくるのは難しいことだと思うんですよ。彼らの凸凹コンビ感は素晴らしかったですね。  それから、原作の風貌とは違うんだけど、深田(恭子)さんもよかったですね。映画を観る方には、あれくらいでインパクト十分なのかもしれないけど、深田さんの演じたグレート清子は強烈なキャラクターで、小説の中ではもっと出てきてかき回す役だから、僕としてはもっと深田さんを観たかったです。  あと村上(弘明)さん。普段、悪役なんてやらないからイメージが湧かないんですよね。仕事人とか刑事ものとかで見てきていて、とにかく正義感というか、爽やかなイメージしかない。その人が悪役をやるというのがね。でもこれがいざ観てみると、素晴らしいんですよ、存在感があって。 ――琵琶湖が十戒のごとく割れるシーンもVFXで再現されていました。 万城目:CGの質がすごく高いなと。全然浮いてなくてね。もっと観たかったな。5分、10分、ずっと割れておいて欲しかった(笑)。

実は伝統より、打ち破って新しいものを!というスローガンのほうが好き

――先生の作品には伝統や継承といった要素がしばしば出てきます。先生ご自身が、伝統といったことを好きなんでしょうか。 偉大なる、しゅららぼん万城目:いや、むしろあまり好きではないです。自分が通っていた小学校が創立100周年とか超えてるようなところで、ふた言目には伝統、伝統って言ってるようなところだったんですよ。それが嫌でね。  伝統という力でみんなを縛り付けている感じで。そういう感覚を小学校の頃に刷り込まれてるんですね。伝統の力をどれだけイヤだと思っていても、関係なしに伝統は続いていくというか。  だからどちらかというと、伝統を打ち破り新しいものをというスローガンのほうが好きなんです。だけど、いざ書くと伝統を使っちゃう。壊すよりも続いているもののほうが、摩擦や悩みを生むんですよね。まぁ、結局、子供時代の呪縛から逃れられていないというところがあるのかなと。 ――最後に原作ファンへメッセージをお願いします。 万城目:ホント、観て欲しいですね。きっと満足してもらえると思う。肝の部分を製作している人たちがちゃんと捉えてくれているので。そこから派生するものは、作る人によってイメージの差が生まれるのは当たり前なんですけど、肝は同じなので。  だからイメージが違う部分も楽しんでもらえるんじゃないかなと。こう解釈したのか!って、新しく思えたりね。自分が思っているのと違っているからイヤだということにはならないんじゃないかな。 <TEXT/望月ふみ> 『偉大なる、しゅららぼん』は3月8日(土)より全国公開 配給:東映 /アスミック・エース (C) 2014映画「偉大なる、しゅららぼん」製作委員会 (C) 万城目学 / 集英社 オフィシャルサイト http://shurara-bon.com/
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
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