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失敗しない「豚しょうが焼き」を科学で説明。コツはたったの3つ

 レシピ通りに作っているのに、味がいまひとつ決まらない。モヤっとした気持ちになった経験はありませんか? 『誰でも1回で味が決まるロジカル調理』は、料理を科学で解明したレシピ本。料理家兼管理栄養士の著者、前田量子さんは東京理科大出身。彼女によると家庭料理は、ちょっとした科学のコツで劇的においしくなるのだそうです。 『誰でも1回で味が決まるロジカル調理』 定番料理のレシピを、おいしく作る「科学的コツ」とセットで多数紹介している本書の中から、人気メニューの裏技を抜粋してご紹介します!

薄切り肉は、たれにつけ込むとかたくなる!

 まずは「豚のしょうが焼き」をおいしく作る方法から。前田さんが提唱する、しょうが焼きをおいしく作るのに欠かせない「科学的コツ」は以下の通り。 豚のしょうが焼き☆たれなどの下味に付け込まない  たれに漬け込んで焼くこともある肉料理ですが、たれに塩分があるため、浸透圧によって肉の水分が奪われ、かたく、パサついたできあがりになりがち。やわらかくジューシーに仕上げるには、たれに漬け込むのは厳禁。焼いてから調味料をからめるだけで味は十分につくし、焦げにくくなるのです。 ☆焼けた肉を取り出さない  焼けた肉を取り出してから、また新たに肉を焼いていくのが通常のやりかた。しかし、焼けたものを取り出すと、冷めてかたくなってしまいます。フライパンの中で、先に焼けたものをあとから焼く肉の上にどんどん重ねていくのが、科学的に正しいコツ。肉は低温の蒸し焼きになり、保温状態になります。 ☆しょうゆ1:みりん1:酒1と考える  肉250gの場合、調味料は大さじ1ずつ。塩分濃度1%で味が決まります。調味料を加熱中に加えると、フライパンが熱すぎて調味料がすぐに蒸発してしまい、味ムラや焦げの原因になるのだとか。必ず火を止めてから加え、混ぜてから再び火にかけましょう。  料理は愛情ならぬ、料理は科学。小さな手順が、こんなにも味を左右してしまうのですね。恥ずかしながら私、調味料を加えるタイミングなどまったくの無視。今まで、火をつけたままガンガン入れていました。「たくさん調味料を入れたのに、なぜ味が薄いの?」と首を傾げていた私のような方は、小さな手順を見直してみてはいかが。  事前情報を仕入れたところで、さっそく調理に取りかかりましょう。

科学的においしい「豚のしょうが焼き」の作り方

<材料>  ・豚肩ロース薄切り肉(しょうが焼き用)250g  ・しょうが汁 2かけ分(または、しょうがすりおろし10g)  ・しょうゆ・みりん・酒 各大さじ1(混ぜる) <作り方> 1.油を入れて余熱。フライパンの片側に肉を1枚広げて入れる。 (強めの中火、余熱1分) ※油を入れて火にかけ、一箇所にかたまっていた油がさらさらしてきたら予熱完了。肉は必ず広げて、フライパンの中央ではなく、片側で焼き始めるのがコツ。手前をあけて、奥側から焼くとやりやすい。 作り方12.肉の色が変わったら裏返す。と同時に、次の肉を広げて手前の空いたスペースに入れる。 (強めの中火、片面20秒~30秒) ※肉を入れるタイミングが大切! 先に入れた肉をひっくり返したら、すぐに新しい肉を投入。フライパンのすぐそばに、肉をスタンバイしておくのをおススメします。 作り方23.あとから入れた肉をひっくり返した上に、焼けた肉を重ねる。あいたところに新しい肉を入れる。 (強めの中火、片面20秒~30秒) ※フライパンを2分割して、奥に焼けた肉を積み重ね、手前で新しい肉を焼いていく。奥に肉タワーを作っていく、と考えるとわかりやすいですね。 作り方3-1作り方3-24.火を止め、調味料としょうが汁を加える。全体になじむまでよく混ぜたあと、再び火にかけて好みの濃度まで煮詰める。 (火を止める→強めの中火、ざっと混ぜる→1分) ※調味料は、必ず火を止めてから加える。 作り方4-1作り方4-2
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肉じゃがの煮くずれを防ぐコツは?
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