うつ病かも…と思ったら。信頼できる医師と出会うコツ
なかなか寝付けないまま朝を迎えたり、なぜか気持ちが落ち込むことが続いたりする経験はありませんか? もしかしたらそれはうつ病のサインかもしれません。
ケースワーカーとしてメンタルの相談にのることも多い私ですが、自分自身もうつ病になって病院探しをした経験があります。その体験から、病院探しをする際のポイントをご紹介していきます。
うつ病かもと思って受診を検討する際に、まず悩むのが精神科と心療内科のどちらにかかればよいか、ということ。実は対象とする疾患が少し違います。
●精神科、神経科、精神神経科
「うつ病」「統合失調症」「神経症性障害」などの、こころの病気を診ている医療機関
●心療内科
心理的な要因で身体の症状が現れる、いわゆる「心身症」が主な対象
(厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」サイトより)
では心身症とは何でしょうか? 心身症とは「精神的な要素が原因で身体の特定の器官に症状が現れる疾患」です。例を挙げると、過敏性腸症候群や胃潰瘍や片頭痛などもこれにあたります。
心身症は心の葛藤が身体の症状として現れるものなので、お腹が痛かったり頭痛がしたり、一見すると単純な身体の病気に思われがちです。しかし原因は「心」にあるので、治療の際は身体症状に合わせてその人の考え方のクセだったり、精神的な面に対するアプローチも必要になってきます。
精神科は精神症状(抑うつ、不安、イライラ、幻聴等)が対象なのに対して、心療内科は身体症状+心なので内科的な側面もあわせ持っているということです。
すると、うつ病という「心の病」を治療するには精神科に行くほうがいいと思われますが、実際には、(以前の私のように)精神科を敬遠しがちな人もいるので、「心療内科」として名前を出しつつも精神科的な治療を行っているケースもあります。
軽度のうつなど軽めな症状なら心療内科に行ってもいいと思いますが、専門的な治療を考えるのであればやはり精神科に行ったほうが良いと思います。
主治医との相性も大事ですよね。筆者は自分が良いと思う主治医に出会うまで、3ヶ所ほどクリニックを探しました。その体験から、主治医選びのときに最低限押さえたほうがいいと思ったポイントをあげておきます。
ひとつは、ちゃんと“眼”を見て話してくれるかどうか。
パソコンとにらめっこをしたまま、キーボードをカタカタ操作しながら患者の話を聞くお医者さんも結構います。それよりも、しっかり眼を見て話を聞いてくれる医者を主治医にしたほうが良いと私は思います(これは精神科に限らずそうですよね)。
患者の表情や振る舞いも体調を探る手掛かりになる大切な情報です。例えば眠れていなかったらクマが目立ったり、痩せてきたりすることも重要な身体のサインですよね。良い医者ほどそういった情報を見逃さずちゃんと診察をしてくれるように思います。
筆者が最初に行ったクリニックでは、診察前に『うつ病チェックシート』というものを渡されました。①最近気分が落ちこみますか? ②何をやってもやる気がでませんか?…というような25のチェック項目に『はいorいいえ』で答えていく形式のものでした。
診察の時間になり、まず最初に医者から「あなたは20項目に『はい』と答えているのでうつ病ですね」と話がありました。でも、チェックシートは、具合の悪いときなら誰でも『はい』と答えるように思ったし、その医者はパソコンの画面しか見ていなかったこともあって、不安に感じて別の病院を探すことにしました。

精神科と心療内科の違いって何?
“眼”を見て話してくれる医師

質問シートでうつ病診断、ホントかな?
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