まるでテニスのサーシャ・コーチ。魔法の言葉でその気にさせるピラティス/漫画家・松井雪子
漫画家として『家庭科のじかん』『マヨネーズ姫』などたくさんの作品を生み、芥川賞候補作家でもある松井雪子さん。15年ほど前にピラティスを始めて、今ではなんとインストラクターだそうです。そこで、ピラティスの魅力と超基礎を教えてもらいました(以下、松井さんの寄稿)。
【漫画家、ときどき作家。松井雪子、ピラティスはじめました】

こんにちは。前回ご紹介したウエストギュギュギュ~ひねりの「クリスクロス」、いかがでしたか。そろそろみなさまのくびれが育ってきたころかと確信しているピヨ子です。
パーソナルレッスンに通ってきてくださるOLさんがおっしゃいました。
「クリスクロスをするときに、ゾウキンをしぼるように、毎晩、ギュギュギュ~とひねってます」
絹のスカーフのようなかれんな女性ですが、夜な夜なゾウキンになっているとは。かけ離れたイメージに、びっくり。ガッツが感じられます。
「それはすてきね。ラスト1回、おへそのウラから最後の一滴をしぼりだして!」
彼女の目がさらに輝きました。
「はい!」
ピラティスはイメージを伝える言葉を大切にします。
グループレッスンのときは、参加していただいた人たちが親近感をもちそうな言いまわしにします。パーソナルレッスンのときは、ひとり一人にあった言葉を使います。
言葉をあやつるピラティス。長年の執筆業タマシイが、はげしく萌えるポイントでもございます。
今回は肩コリにきく腕まわし、『アームサークル』をご紹介。
肩コリはつらい。頭痛を引き起こしたり、姿勢も悪くなる。「こんなに肩ガチガチなのは、ふがいない彼氏のせいよ」など、思考もネガティブになりがちです。
腕を動かすときのポイントは肩甲骨。肩甲骨を動かして腕をまわすように、意識してみよう。
肩甲骨を自由にあやつれるようになると疲れがとれて、カラダが軽くなります。カラダが楽になると、ココロも明るくなります。
レッスン中に、私はぴろぴろした声でよく叫んでます。
「肩甲骨を動かして、天使の翼に育てよう~」
ハッピーになろう~というイメージ、伝わりましたでしょうか。
<アームサークルのやり方>
①あおむけになって両ひざ三角にたてる。足は股関節幅にひらく。
②両サイドに腕、長く伸ばす。手のひら下。肩のうしろマットにつけて、鎖骨ひろげておく。
③おへそをぐ~っと引き込む。
④肩のうしろ、マットにつけたまま腕を動かそう。肩甲骨、意識。
⑤息を吸いながら、両腕あげてバンザイ。
⑥息を吐きながら、腰のほうにまわす。
⑦4回~6回続けたら、逆回し。
⑧両サイドにおいた腕、息を吸いながら下からまわしてバンザイ。
⑨息を吐きながら、おろす。
⑩肩関節なめらかに動かして、4回~6回繰り返す。
おへそをしっかり引き込んで、腰が浮かないようにがんばって。
<文・絵/松井雪子>
【松井雪子】
漫画家、小説家、ピラティスインストラクター(Peak Pilates Comprehensive2)。『イエロー』『日曜農園』『恋蜘蛛』『アウラ アウラ』で芥川龍之介賞候補に。カー雑誌『ベストカー』で四コマ漫画『くるまりこちゃん』を連載中。趣味はドライブ。ピラティス情報は「Piyo Pilates」で公開中
