愛情を分散したら幸せになれない?“複数恋愛”をしてわかったこと
【幸せのための恋愛実験 Vol.3】
互いを「彼氏」「彼女」という代名詞で縛らず、でも大切にしながら愛し合いたい。そんな気持ちから「お付き合い」を廃止した26歳OL・藤しおんが、男女の新しい愛のかたちを探ります。
「好き」になったら「付き合う」ことをゴールにしなきゃいけないなんて誰が決めた?
本当にその関係性は、2人にとって幸せなのだろうか? もっといい関係性はあるのではないか? そう思い、「お付き合い」をやめた私。
やめてから、体の関係を持ちつつもデートも行うパートナーAができた。
手をつないで映画に出かけたり、一緒にカラオケで飲み明かしたりと、仲むつまじくデートを楽しんでいる私たちは、傍から見ればごくごくふつーのカップルに見えたに違いない。
私とAのような、セックスをする友情関係を「セフレ」と呼ぶのかも知れないけれど、心も身体もどちらもオープンになれる、私にとって気心が知れた大切な“パートナー”だった。
だからAのことは、友達にもセフレではなく「パートナー」と表現していた。
彼から「かわいい」「かわいい」と言って愛でられるのも、「好き」って言われるのもすごく幸せだったし、「人から愛されている」という事実は自分の心を十分に満たしてくれた。
最初の方は、間違いなくお互い幸せだった。お互いで身体と心の欲求を満たしつつも、束縛し合わない関係。「お付き合い」という決まりごとの、いいとこ取りしたような条件。最高に心地よかった。
でも、Aと一緒に過ごす日々が長くなるにつれて、私が他の男性と会うことに彼が嫉妬し、「他の男性とセックスしないで」と言われることが増えてきた。私も、彼が他の女性とセックスすることに対して心がざわつくようになってきた。彼の愛情を1人で独占したくなってしまった。
そう。お互い束縛しない関係性が心地よかったのに、気づかない間にゆっくりと、刻々と、彼氏彼女のような「縛り」が増えてきてしまっていた。その頃にはもう「彼氏」「彼女」ではないけれど、事実上の彼女のような立ち位置だった。
恋人でもセフレでもない、「パートナー」という存在


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