「シンデレラのアニメは娘に見せない」名女優が語った意外な思いとは?
女優のキーラ・ナイトレイ(33)がテレビ出演の際に独自の子育て論を展開、話題になっています。
10月16日、お昼の人気トーク番組『エレン・デジェネレス・ショー』に出演したキーラは、「3歳の愛娘に『シンデレラ』禁止令を出している」と語り、『ページシックス Page Six』ほか多数のメディアが報じました。
禁止の理由は、「白馬に乗った王子様を待っているだけの女の子ではなく、自分から幸せをつかみ取りに行く、自立した子に育って欲しいから」だそう。
別のディズニーアニメの名作『リトル・マーメイド』についても、「劇中歌はとても素敵」と言いつつも、「だけど、男性のために自分の声を失うなんて! あり得なくない?」と、これもまた鑑賞を禁じていることを明かしました。
実は先日、『アナと雪の女王』でアナの声を担当した女優クリスティン・ベル(38)も、雑誌『ペアレンツ Parents』のインタビューで往年のプリンセス像が含むまちがったメッセージについて言及したばかり。
「なぜ白雪姫は何も疑問を持たずに知らない人(魔女)からもらったリンゴを食べるの?」「王子様がキスすると白雪姫が目を覚ますけど、許可も得ずに眠っている人にキスするってやっていいことなの?」など、名作を読み聞かせながら子どもたちに“危機管理”のあり方を教えているといいます。
キーラの『シンデレラ』禁止令に対しては、一部フェミニストの中から「シンデレラがリッチガイを待っているだけの駄目なプリンセスですって? 笑わせないで。彼女は虐待を乗り越えて、自分の力でパーティに行って幸せをつかんだ勝ち組なのよ」(『ザ・ガーディアン The Guardian』)と反論する声も出ています。
しかし、興味深いのは、昔ながらのプリンセスものは、かたくなに禁止しているキーラも、強いヒロインを描いた『アナと雪の女王』や『モアナと伝説の海』は推奨していること。
ディズニーアニメに登場するヒロイン像が大きく変わりつつある昨今、キーラやクリスティンのような考え方が、欧米での女児子育て方の主流になってきているようです。
一方、日本ではだいぶ前からセーラー戦士たちが平和を守る『美少女戦士セーラームーン』や、少女たちが妖精の手を借りて悪と戦う『プリキュア』など、強いヒロインたちが活躍するアニメが人気。
現在放送されているプリキュアシリーズ『HUGっと!プリキュア』(テレビ朝日系列)では「女の子もヒーローになれる!」というテーマのファッションショーを描き、また「男の子だってお姫様になれる!」というセリフが出た19話(6月10日放送)に、ネット上で大きな賛同の声があがりました。
もしかしたら、アニメの世界では日本の女子の方が欧米の女子たちより断然強く、自立しているのかも? キーラたちにもぜひ日本のアニメDVDを手にとってもらいたいものです。
Sources:
「Page Six」https://pagesix.com/2018/10/17/keira-knightley-bans-daughter-from-watching-cinderella/
「Parents」https://www.parents.com/parenting/kristen-bell-questions-disney-princesses-as-she-reads-to-her-daughters/
「The Guardian」https://www.theguardian.com/commentisfree/2018/oct/22/keira-knightley-underestimates-cinderella-hustler-baller
<文/アメリカ在住・橘エコ>
王子様を待っているだけの女の子になって欲しくない!
「白雪姫」は悪い例の宝庫って本当?
美少女戦士が人気の日本の方が欧米より先進的?
橘エコ
アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。