初めての「出張ホスト」体験。愛はお金で買えるのか
【幸せのための恋愛実験 Vol.4】
互いを「彼氏」「彼女」という代名詞で縛らず、でも大切にしながら愛し合いたい。そんな気持ちから「お付き合い」を廃止した26歳OL・藤しおんが、男女の新しい愛のかたちを探ります。
「離婚するから、付き合って欲しい」
キャバクラ時代、死ぬほど言われたこの言葉。言われるたびに、心が乾いた。どうせ、このようなことを言う人は離婚なんてしない。
「うん。じゃあ今すぐ離婚して♪」
そう言うと、「じゃあ、付き合ってくれるの?」と聞かれる。次が確約されてないと、離婚しないんかい。乗り換えなんて、人に対して不誠実すぎる。
なんでこんなにも脆(もろ)い愛をわざわざ数百万かけて、親戚大集合させて誓うのだろう。不思議で仕方がない。
恐らく、みんな誰かに愛されたいんだろう。「家族」という組織に安心したいんだろう。私だって、いくら「彼氏いらない」と言っていたって、たまに人が恋しくなることがある。
人恋しさは、お金で上手く解決することができないのか。
彼氏はいらないけど、誰かにお金を支払って「愛されている」と実感してみたい。好奇心に耐えきれず、私は出張ホストというものを利用してみた。
鶯谷を意識しつつ、待ち合わせは上野を指定した。私のお気に入りのワインバルを予約して、そこで待ち合わせ。
今にも爆発しそうな心臓を抑えながら、店に向かった。彼は先に着いているようだ。名前を呼んで振り返った彼は、写真よりもはるかにカッコよくてびっくりした。ここ最近で会った男性の中では確実にナンバー1。綺麗なお顔立ち。一気にテンションが上がった。
食事中は、お箸を並べてくれたり、注文する時に店員さんを呼んでくれたり、食事を取り分けてくれたり。仕草の一つひとつが少女漫画に出てくる理想の「爽やかで優しい彼氏」そのものだった。彼は店の中でもナンバー3の存在だったので、人気の理由が頷ける。
2軒目に行こうかと店を出たところ、彼が「ダーツしたい!」と言っていたのでダーツバーに行くことになった。
結婚って脆い。愛はいっそお金で買えばいい?


台本があるの!?怖いくらい完璧なデート

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