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結婚前から過干渉な義父。「反吐が出るほどキライ」でも結婚した男性の胸のうち

ぼくたちの離婚 Vol.6 血縁の呪縛 #1】

 ポロシャツがはちきれそうな厚い胸板に短く刈り込んだ髪、しかし決してコワモテではない優しい目元が印象的。そんな穂積明人さん(仮名/35歳)は「作家」である。どういう種類の作品を手がけているかは本人希望で明かせないが、小説ではなくノンフィクションが主。社会問題を中心に取り扱っており、著書もある方だ。

ぼくたちの離婚 Vol.6 その穂積さんが、3歳年上のカメラマン・美緒さん(仮名)と交際を始めたのは、ちょうど10年前の2008年。穂積さんが25歳、美緒さんが28歳の時である。当時、某雑誌の編集部に所属していた穂積さんが、とある撮影現場で知り合ったのだった。

「当時の美緒はポートレートを中心に撮るカメラマンとして上り調子でした。小規模ですが何度か個展を開いていたし、界隈ではわりと名が知られていたんです。美緒は内気な僕とは正反対の豪快な親分タイプでしたが、話してみると笑いのツボがすごく合っていて、どんな会話も刺激的で楽しい。それで付き合いはじめました」

 半年後、ふたりは同棲を決める。

「同棲前の美緒は『家事や料理は女性が率先してやらなければならない』という思い込みというか気負いがあったんですが、僕はわりと家事や料理が好きで、率先してやる人間でしたから。美緒は安心したと思います」

同棲して知った彼女の浪費癖


家賃36万のマンションで同棲 しかし、穂積さんは美緒さんの金銭感覚が気になった。

稼ぎがいい分、ものすごく使う人なんです。社交性があってきっぷもいいので、現場スタッフやアシスタントに、けっこう高い飯をどんどんおごっちゃう。撮影が一段落したら海外旅行にも頻繁に行く。共通の友人への誕生日プレゼントを二人で出し合って選んでも、彼女が勝手に“追加で”買ってしまう。

そういう出費はすべて共通財布から出ていくので、実質僕が半分出しているのと一緒。共通財布には、ふたりが同じ額を出して月初に5~7万円くらい入れておくんですが、月末までもったことはほとんどありませんでした」

 同棲していた物件を聞いて驚いた。港区南青山の2DK、家賃36万円である。折半では1人18万円の負担。当時既に売れっ子だった美緒さんの収入なら大丈夫だろうが、出版社勤務の穂積さんはさぞ無理しただろう。無論、美緒さんたっての希望で決めた部屋である。

「美緒がなぜ金遣いが荒いのか。彼女、生まれは決してお嬢様じゃないんですが、彼女の父親、つまり僕の義父は、海外雑貨の輸入代理を営む中小企業の経営者。義父が一代で築き上げた会社です。ほら、そういう社長のほうが、むしろ大企業の幹部クラスより自由に使えるお金が多いじゃないですか。美緒は育ちの段階でその影響を受けていると思います。金は羽振りよく使うものだ、と

 要はですね、と穂積さんは一呼吸置いて言った。

「離婚の原因は義実家です」

週末の朝9時、アポなしで訪れる義父


週末朝9時のアポなし訪問 義実家、つまり配偶者である美緒さんの実家。穂積さんは義実家からの過干渉に、長年にわたって苦しめられたという。

「同棲している家に、ほぼ毎週末美緒の両親が訪ねてくるんですよ。朝9時に突然ピンポン。当然、アポなしです。両親も都内住まいなので来やすいんですよ。

ある時なんて、僕が外出から戻ったら義父がひとりで家の中にいるんです。びっくりして、最初は状況が飲みこめませんでした。僕に内緒で、妻が合鍵を渡していたらしいんです。義父はしれっと『お邪魔しとるよ』と」

 当然、穂積さんは美緒さんに苦言を呈した。しかし美緒さんは、なぜそれが悪いことなのかわからない、といった表情。むしろ「あなたのご両親ももっと来ればいいのに」と、話が噛み合わない。

「義父がいきなり家にやってきて、ほらこれ、と客布団を渡すんですよ。大荷物を持ってきてドアの前に立っているから、受け取りを拒否することもできない。つまりこの布団は、義父たちが泊まり来るときの自分たち用。これ全部、結婚前の話です

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気づくと逃げ場がなくなっている

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