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【太りやすい食べ方・トップ5】健康志向もグルメも危ない

焼肉 着る服がだんだんと薄くなってくるこの季節。普段以上に体型が気になってきて、ダイエットを始めるという人も少なくないはずです。しかし、運動などカロリー消費以前に気にしなくてはならないのが、普段の食事。食事のしかたに問題があってはどれだけ運動したところで痩せることはできません。そこで医学的見地から正しく、無理なく継続できるダイエットの方法論を紹介した書籍『何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから』が話題の精神科医、奥田弘美氏に「ついやってしまいがちな太りやすい食事のしかた」について教えてもらいました。

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 本来、人間には「空腹感にしたがって食べる」というスリム維持センサーが備わっていています。その典型は子供で、彼らはお腹がすいていると、ある程度の好き嫌いはあるにせよ、何でも美味しそうにたくさん食べるのに対して、空腹でないと好物でも箸をつけようとしません。しかし、大人になるにしたがって、多くの人が空腹感を無視して食べ物を食べるようになり「お腹がすいていなくても、目で見たり、頭で考えたりして食べる」という不自然な食べ方に徐々にシフトしてしまうのです。具体的には、次のような食べ方です。

◆「3食きっちり規則的に食べなければ、健康によくない」という「健康志向食べ」

 健康志向の強い方や、栄養学的IQの高い人によく見られる食べ方です。3食きっちり決まった時間に、栄養バランスのとれた食事を食べないといけないと信じこんでいるため、お腹がさほどすいていなくても、頭で考えて無理に「きっちり」食べてしまうのです。カロリー計算までしっかりできる人はいいのですが、ほとんどの人が「きっちり食べている」つもりが空腹感を無視して食べているため「カロリーオーバーな食事」になってしまっています。そして、そのオーバー分がじわじわと脂肪と化して体に蓄積していっているのです。

◆「とても美味しそうだから」「珍しいから」「上等な食べ物だから」今食べとかなきゃ!

 という「目で見て食べ」グルメの人や食い意地の張っている人に多い食べ方。「この料理は絶品だから食べておかないともったいない」「滅多に食べられない高級料理だから、無理してでも食べておかないと!」「すごく美味しそうな菓子だから、どんな味か食べてみたい」などと、視覚による誘惑や食い意地によって食べてしまいます。お腹がすいていようがいまいが、おかまいなしに胃袋に入れてしまうのです。その結果、余剰なカロリーはどんどん脂肪に化けて体にしつこくへばりつくことになるのです。

◆「残してはもったいない」「食べ物を残すべきではない」などという「道徳的思考食べ」

「お百姓さんが一生懸命作ってくれた食べ物を残すなんて、罰当たりだ」「世界には飢えている人もいるのに食べ物を残すなんて申し訳ない」「魚や動物が自分を犠牲にして提供してくれている食料だから、せめて残さずに食べることで感謝しなければ」といった考え方でお腹がいっぱいでもお皿がカラになるまで食べ続ける人たちです。厳格な両親に育てられた方、真面目な方、道徳心、正義感の強い方に多い食べ方です。しかし、外食などの料理は顧客に満足を与えるために、安価な炭水化物や油の量を多く使用して、成人の標準的1食分よりもかなりカロリーが高いのが特徴です。このような食べ方をしていると、量の調節が自分でできない外食が多い方は確実に太ります。

◆「勧められているのに食べないと悪い」「皆が食べているから」という「付き合い食べ」

 お連れの人が皆ケーキを頼んだから、自分も食べないといづらい。知人の家でお腹いっぱいなのにお菓子をすすめられるので断れなくて食べてしまう。お腹がすいてないけどランチに誘われたからお付き合いで食べてしまう。同僚に「ガッツリ飯行きましょう」と誘われ、さほどお腹がすいていないのにトンカツやごはんたっぷりの丼もの屋に行ってしまう。このような付き合い食べをしてしまう方も少なくありません。

◆「なんとなくイライラするから」「口寂しいから」といって食べる「気晴らし食べ」

 イライラしたり、寂しかったり、不安だったり、腹が立ったり。こういったマイナスの気分から逃れたいがために、手っ取り早く「食」に逃げる人も少なくありません。人間にとって「食欲」「睡眠欲」「性欲」は三大快楽とされていて、なかでも「食」は食べ物さえ用意すれば簡単にすぐに満たすことができる快楽です。ストレス社会の現代、原始的で即効性のある気分転換の方法として「食べること」に手を伸ばす人が、男女ともに急増しています。特に女性は甘いもの、男性はアルコールや肉系で気晴らしのために飲み食いをする人が多いようです。ですが、結局「気晴らし食べ」はマイナス気分の真の解消になることはなく、逆に体がダルくなったり、体重が増えて自己嫌悪に囚われてしまいます。

奥田弘美氏

奥田弘美氏

 いかがでしょう? あなたも心当たりのある食べ方があったのではないでしょうか? これらは、すべて空腹感を無視した不自然な食べ方です。子供の頃には素直に空腹感にしたがってセンサーによってカロリー調整できていたのにもかかわらず、大人になってセンサーを無視した食べ方をするようになってしまった結果、余剰なカロリーが体内にストックされていき、次第に脂肪が増えていくというわけなのです。

 人間は大人になるにしたがって本能ではなく理性で行動するようになります。理性を司る脳は大脳新皮質と呼ばれる部位なのですが、子供の頃はまだ未発達な状態です。そのため子供は本能のまますぐに泣いたり叫んだり笑ったり怒ったりするなど、感情をコントロールすることができません。大脳新皮質は思春期までかかってゆっくりゆっくり成長していき、徐々に私たちは理性で感情を抑えて「頭で考えて」行動をコントロールできるようなっていくのです。

 本能のままではなく理性で行動がコントロールできるようになることは、社会人としては非常に喜ばしいのですが……悲しいことに食行動に関しては、「スリムセンサーという本能を理性で押さえつけて、空腹感を無視して食べてしまう」というマイナスに働いてしまいがち。そういったメカニズムを十分に自覚することが、「太りやすい食事のしかた」から卒業するための第一歩と言えます。 <取材・文/女子SPA!編集部>

【奥田弘美氏】
精神科医師(精神保健指定医)、日本医師会認定産業医、作家。少女時代に肥満のため「ブー」というあだ名を付けられ傷ついた経験から、「どうしたら太らない食べ方ができるか?」というテーマで若い頃からダイエット研究に熱中。医師として安全なダイエット法を吟味しながら、精神科医としての視点で「太らない人の食べ方」を考察した結果、「考え方」、「脳の使い方」に大きな違いがあることに気づき独自のダイエット法を体系づける。本書のダイエット法を自ら実践した結果、2児の出産を経て45歳を過ぎてもBMI20、洋服は常にS~M サイズの健康スリム体型を維持している。現在は精神科医・産業医として都内20か所の企業にて、日々多数のビジネスパーソンの心身のトータルケアを行うほか、銀座スキンクリニックではカウンセリングルームを持ちメンタルケアコーチングやダイエットコーチングを実施。心のストレスケアとともに行う安全で実践しやすいダイエット法には定評があり、ビジネスパーソンのメタボ解消や女性の健康ダイエットを日々サポートしている

何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから

精神科医が教える「脳で痩せる方法論」




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