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『黄昏流星群』黒木瞳の悲しい不倫…。身を引く女を、男は追いかけるもの?

亀山早苗の不倫時評――ドラマ『黄昏流星群』の巻 vol.9>  不倫の恋を描いたドラマ『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』(フジテレビ系、木曜夜10時~)は、いよいよ今夜が最終回。  出世コースから外され出向していた瀧沢完治(佐々木蔵之介)は、9話で銀行から復職を打診される。それを妻の真璃子(中山美穂)に相談すると、「よかったじゃない。私は家を出て行こうと思う」と衝撃の告白。真璃子は、完治が不倫相手の栞(黒木瞳)と一緒にいるところを見てしまった、あなたはいい笑顔だったと、夫と栞の関係を知っていたと白状する。  一方、栞も完治の前から姿を消す。電話もつながらない、家へ行ってみるとすでに引き払ったあとだ。栞は遺伝性の糖尿病を患っており、このままだと失明の危険があるのだが、彼女は完治には何も言わず、海辺の街でひとりきつい仕事をしている。  一般的にいって、こういう女性は男から見れば、「都合のいい女」だろう。去る者日々に疎(うと)し。いつか男はその恋愛を思い出に変えてしまう。たとえ「男に迷惑をかけないように姿を消す」のが彼女の愛だとしても、それは彼には伝わらない

「彼女は急に消えました」53歳男性のケース

 以前、不倫していた女性に突然姿を消されたという男性に会ったことがある。仮にタカヒトさん(53歳)としておこう。それは8年前、彼が45歳のときのことだ。29歳で結婚した彼にはふたりの子がいたが、38歳のときからつきあっている7歳年下のバツイチ女性がいた。 「うちの妻は子どもがすべて。妻の実家で両親と暮らしていたので、正直言って僕は居場所がないというか、家に帰っても心からリラックスすることができなかった。そんなとき仕事関係で彼女と知り合ったんです。彼女は離婚経験があって子どもはいない。仕事ができる女性でした」  ひとり暮らしの彼女の家に週に数回、寄るようになった。彼女の家の近所の居酒屋では、ふたりは夫婦に見られていた。もともと仕事の時間帯が不規則だったから、妻には特に疑われることもなかったという。
居酒屋

写真はイメージです(以下同じ)

「それなのに、つきあって7年たったとき、ある事件が起こりまして。ある日、義父が倒れたんですが、僕は携帯電話をオフにして彼女と芝居を観に行っていた。その後も携帯をオンにせず、彼女の家でくつろいで、そのまま寝てしまったんですよね。  外泊は初めてでした。いつもは遅くなっても帰っていたから。気づいたら出社時間。彼女の家を出るとき、携帯を忘れた。会社に行くと、同僚から奥さんが何度も電話してきたよ、と。そこで携帯がないことに気づいて……。そういうときに限って“うっかり”が何重にもなって。妻には『酔いつぶれてどこで寝ているのかもわからず、携帯もなくしたんだけど、警察に届いていた』と必死に言い訳しました」  彼女にその話をして、ほとぼりが冷めるまでおとなしくしていようと思うと伝えた。彼女はわかったと言ったものの、そのまま姿を消したのだ。

探すアテすらないことに気づいて……

 タカヒトさんは彼女と別れる気などさらさらなかった。だが、彼女が消えたあと、探しようがないことに気づく。 「そういう関係だから彼女の友だちに会ったこともないし、彼女の実家が北陸地方だとは聞いていたけど住所も知らない。彼女のこれまでの話から考えて実家に戻っているとも思えなかった。仕事も辞めているし、どこへ行ったのかもわからない」 途方に暮れる男性 ちょうど彼の仕事も忙しい時期だった。あっという間に1年がたち、2年がたっていく。義父はその間に亡くなった。残った義母は、なにかとタカヒトさんを頼りにする。家の居心地も以前よりよくなった。 「心のどこかで、彼女との関係はあれでよかったのだと思うようになりました。妻は最初は浮気を疑って怒っていましたが、僕は浮気などしていないとシラを切り通した。お義父さんが倒れ、その後亡くなったりして妻もその件はしつこくは言わなかった。それでなんとなく雪解けというか、またごく普通の生活に戻ったんです」  彼は心の中で、姿を消してくれた彼女に感謝していた。どこにいるのかとときどき心配にはなったが、彼女のことだからどこかでしっかり生きているはずだとも思っていた。
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数年後、ばったり再会した彼女が連れていたのは……
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