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結婚後、メンヘラに豹変した妻。夫が精神的DVに耐えつづけた理由

共働きなのに家事分担は8:2

 入籍・同居は2017年8月。プロポーズから、これまたたったの2ヶ月だ。ふたりとも基本的に自宅が仕事場で手持ちの資料も多いので、引越し先は3LDKのマンション。新宿まで電車で30分程度、駅徒歩数分の立地だ。両家の顔合わせや結婚式は、同居後に落ち着いてからじっくり算段する予定だった。 共働きなのに家事分担は8:2「基本的な家事分担は、毎日の食事と後片付け、家の掃除が僕。皆子は僕が仕事で食事の準備をできない時の食事と洗濯。8対2で僕のほうが多いんですが、別に気にしませんでした。家事は好きでしたし、得意なことを得意なほうがやればいい」  しかし、新居に移って手放しで幸せだと感じたのは、最初の数日間だけだったという。引っ越して1週間ほどたった、ある夜のこと。 「ベッドに入る時に、皆子から突然『私、明日この家を出ていく』って言われたんです。なにがなんだかわからない。理由を聞くと、家事が大変だと言うんですよ。私の家事が大変だってことを、あなたはどうも理解していない。私はすごく疲れてしまった。だから明日からホテルで仕事をすると、一方的にまくし立てられました」 妻から一方的にまくし立てられた 普通なら「何を言ってるんだ?」と問いただすところだが、優しい田崎さんは、なんと平謝りしてしまう。 「僕は焦ってしまって……。慌てふためいて、あまりのことに涙まで出てしまったんです。本当にごめん、そんなにつらいとは知らなかったよと、心から謝りました。でも皆子は頑として譲らない。『あなたは私のことがわかってない。この苦しみが永遠に続いていくってこと、本当にわかってるの?』と、僕を責め続けるんです」  尋常でない不快感をあらわにしている皆子さんを前にして、田崎さんはひたすら謝罪を続け、言葉を尽くしてなだめ、説得を試みた。数時間が過ぎ、夜もふけてようやく皆子さんはおさまった。  その日以降、皆子さんは田崎さんを、なにかにつけて責めるようになる。

何をしても怒られる

「食器の洗い方、ご飯の混ぜ方、掃除の仕方など、家事もろもろにいちいちダメ出ししてきて、『違う、もう一度。違う、もう一度』と何度でも目の前で僕にやり直させるんです。苦虫を噛み潰したような顔をして、僕をさげすむように。『ほんとうに不器用ね』と何百回言われたことか。 あんまり執拗なので、おそるおそる『そこまで言うなら、君がやったほうがいいんじゃないかな?』と言うと、烈火のごとく怒る。『あなたが不器用だからこんなことになってるのに、私にやれって言うの!?』と。手がつけられないほど怒り狂うんですよ」 手がつけられないほど怒り狂う妻 叱責は家の中だけに限らない。 「一緒に街に出て外食するとなったら、まず僕に店を決めろと言う。モタモタしていると死ぬほど怒るんです。でも決めたら決めたで、店に入ってから『あんまりいい店じゃないね』と、あからさまに文句を言って不機嫌になる。 そんなことが何度も続くので、ある時『君が決めたほうがいいんじゃない?』と提案したら、やっぱり『なんで私に決めさせるのよ!』と怒る。外出がどんどん憂鬱になりました。何をしても怒られる。正解がない。逃げ場がないんです」  田崎さんの説明によれば、これらはモラハラの常套手段である「ダブルバインド(二重拘束)」というものだ。相手の行動に常にダメ出しするが、やらなければやらないで責める。2つの矛盾した命令をすることで、相手に大きな精神的ストレスを与え、弱らせ、支配下に置く。要は「何をしても怒られる」「どこを踏んでも地雷」状態だ。田崎さんのような優しい気質の人がこれをやられると、自分はダメな人間だ、ちゃんとしてないから怒られるんだと思うようになる。
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それでも、離婚は想像すらしなかった
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