浮気した夫と10ヶ月の別居。妻が許した“きっかけ”に心温まる
何らかの事情で一度関係の壊れかけた夫婦でも、思わぬきっかけで再生することがあります。男女関係や不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが、夫婦の“再生物語”をレポートします。(以下、亀山さんの寄稿)
夫は若いときから女性の影がいつもちらちらしている男だったと、イツコさん(45歳)は苦笑する。大学の同級生だった夫と結婚したのは27歳のとき。周りから早く結婚しろとせっつかれていたという。
「まあ、でも夫はまだ結婚したくなかったんじゃないかしら。ただ、妊娠してしまったのでようやく観念したんだと思います。調子がよくてへらへらした人なんです」
言い換えれば明るくて前向きでもある夫。誰とでも仲良くなってしまうので、若いときから浮気疑惑は多々あった。
「夫は就職したんですが6年後に父親が急逝、家業を継いだんです。飲食をやっている小さな店ですが、夫はまったくネガティブ思考がない人なので、それなりに楽しそうでした」
イツコさんは年子の2児を育てるために一時、専業主婦となるが、夫が店を継いだときに再就職を果たした。
「それからはごく普通の家庭生活でした。夫は車で10分くらいの店から夜10時くらいには帰ってきます。時間をやりくりしながら協力してがんばってきたという思いはありました」
4年前、夫が20代の若い女性とメッセージのやりとりをしていることが発覚。まだ会ったことはないようだったが、内容的にはかなりエロいやりとりだった。パソコンを閉じずに夫が出かけてしまったので、娘が見つけてイツコさんに知らせたのだという。
「うちの娘はどこか達観しているというか……。『まだ会ってはいないようだけど、おかあさん、気をつけたほうがいいよ。とっちめてやらないと』って冷静に言っていました(笑)」
そのときは結局、娘が父親を問いつめ、家族の前で父親は母親に土下座することとなったそうだ。
「ただ、娘の言うとおりエスカレートはしていったようですね」
もともと明るくてモテる男性ではあったらしい。イツコさんが写真を見せてくれたが、こんな明るい笑顔を見せられたら女性は惹きつけられるだろうというくらいステキな笑顔だ。そう言うと、「そうですかねえ」とイツコさんは不審そうな表情になる。身内と他人とでは印象が違うのはやむを得ない。
モテる夫と結婚。協力して暮らしてきたが……
よその女性との「エロいやりとり」
