Gourmet

味の素、顆粒だしetc.を堂々と使うべき理由/料理研究家リュウジさん

 Twitterから登場し、いまブレイク中の「料理のおにいさん」リュウジさん(1986年生まれ)。レシピを紹介するTwitterはフォロワー60万人、書籍『バズレシピ』シリーズ第3弾の『バズレシピ 太らないおかず』(2019年1月刊)も発行部数5万部と好評です。  前回の「じゃがアリゴ発明の秘密」に続き、リュウジさんにインタビュー。
カルボナーラ豆腐

『バズレシピ 太らないおかず編』の表紙、カルボナーラ豆腐

 リュウジさんのレシピはものすごく簡単で、「味の素」や顆粒だしなどを堂々と使うことに、一部の料理マニアから批判もあるそうです。リュウジさんの独特の料理ポリシーと、知られざる経歴を聞きました。

現地メシを食べるために世界一周

リュウジ「僕は料理人の仕事をしたこともないし、レシピは自分が食べてるもの。料理研究家として何か売りがあるとすれば、誰よりも色んな料理を食べてきたってことじゃないですか。本当にいろんな料理を知ってるんで」 ――18歳の時に、本場の料理を食べるために世界一周したと聞きました。 リュウジ「そうです。そもそもは高校生の頃から家族の食事を作っていたことから料理にハマって、18歳で船旅で4ケ月、20ケ国を回りました。  本物の味を食べてみたら、特段うまくないんです。イタリアへ行ったときも、日本のイタリアンの方が全然うまいな、と。逆に言えば、料理って特段おいしくなくても、もっと気軽にやっていい。世界中そうなんですよ」
リュウジ

リュウジさん。普段はエプロンをしないそう

――帰国後、就職したんですね。 リュウジ「ホテルマンを4年、高齢者専用マンションでコンシェルジュを3年やりました。そのマンションの食事がマズいというので、僕が月2回、40人分の料理を作ってたんです。その後、Twitterでレシピを紹介し始めたら話題になって…現在に至ります」

味の素や顆粒だしは「わざと使ってる」

――リュウジさんは、市販の顆粒コンソメやめんつゆなどをガンガン使いますよね。そこを批判されることもあるとか。
一軍調味料

リュウジさんが使う一軍調味料。これさえあれば絶対失敗しない

リュウジ「ありますね。でも僕はわざと使ってるんです。  ほとんどのレシピに、市販の白だし、顆粒コンソメ、中華調味料とか味の素を使う。これってファミリーレストランとかコンビニなどで使われている味付けなんですよ。現代人は、こういう味に舌が慣れてるから、おいしいと感じるんです」 ――舌が馬鹿になっているんですかね…? リュウジ「今、ちゃんと煮出して素晴らしい出汁を取ったとしても、その味をわかる方はほとんどいないです。『ああ、これちゃんと出汁を取ってて、すごく美味しいな』っていうよりは、『ちょっとパンチ足りないな』と思う方のほうが多いんです。  外食や惣菜でうま味調味料がガンガン使われているから、繊細な出汁の旨みとか香りを感じられなくなってるんですね。それは時代に合わせるっていうか、僕は別にいいと思っているんです」
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“無添加派”をやめたワケ
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