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“映える哀愁おじさん”岩井ジョニ男「人生、手放してラクになった」

 インスタグラムで「インスタ映え昭和おじさん」として注目され、5月には写真集『幻の哀愁おじさん』(文藝春秋)も出版した、お笑い芸人「イワイガワ」の岩井ジョニ男さん。
幻の哀愁おじさん

岩井ジョニ男『幻の哀愁おじさん』(文芸春秋)

 前回、インスタ映えの秘訣や、“おじさん”になったことによる心境の変化などを伺いましたが、誰しも避けては通れない「加齢」という現実をポジティブに受け止め、自然体で無理なく生きるというお話には、女性も参考になる心構えがたくさんちりばめられていました。そこで今回は、等身大の自分の見つけ方など、ジョニ男さん的思考をもう少し深掘りしてみました。 【前回記事】⇒“昭和おじさん”のインスタが女性に人気のワケ。岩井ジョニ男「20代から老けてた」

「無理をしない自分」がいちばんの持ち味

――前回「おじさんを実感したことで“自分”の身の丈がわかった」とのことでしたが、歳を重ねるごとに現実を受け入れるのが難しい部分もあります。どうしたら自然体でいられるでしょうか?
岩井ジョニ男さん

お笑いコンビ「イワイガワ」の岩井ジョニ男さん

岩井ジョニ男さん(以下、岩井)「自分だとどうしても主観が入ってしまうけれど、周りの人は客観的に見て『おまえはこうじゃないか』と言っているので、その言葉の中に真実があると思うんです。だから僕は、僕のことを本気で思ってくれている人のアドバイスを信用して、聞き入れるようにしています。そうすると、自分が思う自分らしさのために無理していたこととか、やらなきゃっていう思いとかが研磨されて、自然体でいられるようなりますよ」 ――客観的な意見を受け入れることが大切なんですね。 岩井「僕は昔“千葉のさんまちゃん”と呼ばれていたこともあり、明石家さんまさんのようなお笑いを目指していたのですが、プロの世界で“千葉のさんまちゃん”は全然通用しなくて悩んでいました。そんなとき、事務所の飲み会で、さんまさんが芸人それぞれの技量を野球のピッチャーに例えてくれたことがあって、ウド鈴木さんは『変化球なしの150キロ1本で三振が取れる』、飯尾和樹さんは『150キロのストレートとナックルを持っている』と言われていたんです。
岩井ジョニ男さん

(画像:岩井ジョニ男公式インスタグラムより)

 僕としては、内心150キロを投げられると思っていた自分もちょっといて、そう言ってくれるんじゃないかって期待もしていたんですけど、さんまさんの言葉は、『ジョニ男はサイドスロー130キロ。抑えの切り札として、最後にシンカーで三振を取れる』だったんです。そういわれて振り返ると、確かに僕の仕事は130キロ。でも、さんまさんに『130キロでもプロでやれますか?』って尋ねたら『やれる』と言ってくれたので、“無理しなくていいんだ”と思えてラクになりました。  130キロの僕が無理をして150キロを投げ続けていたら、肩を壊して投げられなくなっちゃいますからね。タモリさんにも『お前は普通のときが一番おもしろい』と言われたことがあって、そのときは『どういうこと?』と思いましたが、最近になってそのままでいいということがわかり、うれしく思っています。普通って無敵ですよ(笑)

自分を磨いているはずが、実は削っているかも

――自分が思っていた自分とアドバイスのギャップを受け入れるのは難しくないですか? 岩井「アドバイスを聞き入れるとだんだんラクになっていくので、大丈夫です。みんなそのままで十分愛される素敵な面があるのに、なりたい自分になるとか、こうでなきゃとか思って無理をすると、本来の良さを隠してしまう可能性もあるんです。自分磨きのはずが、逆に削り落としちゃってるんですね。  僕もさんまさんやタモリさんのアドバイスがなければ、憧れの芸人さんを真似たりして、次第に自分を見失っていたと思います。“そのまま”はオリジナルだから、それがいちばんの持ち味。そう思えるようになるまで時間はかかりましたが、気づけたことで自分らしく生きられるようになりました」
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身の丈に合わないものを手放していくんです
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