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エヴァンゲリオンのNetflix配信で全米ファン激怒。2つの改変が理由

 6月21日よりNetflixで世界配信が開始された『新世紀エヴァンゲリオン』に翻訳論争が勃発しています。

俺のエヴァはこんなんじゃない! 文脈無視の翻訳に米ファン激怒

 1995~1996年にかけてTV放映され、日本中に熱狂的なブームを巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』は、欧米のアニメファンからも絶大な支持を受けてきました。しかしこれまでDVDで発売されてはいたものの、1度もアメリカでテレビ放映されたことがなかったのです。 『バルチャー Vulture』によると、英語版ライセンスを持っていたADVフィルムが2000年代後半に倒産してしまったため、ここ10年は中古DVDを高額で購入するか、ネット上に違法投稿されている動画を探して観るしか術がなかったといいます。
(画像:ネットフリックス『新世紀エヴァンゲリオン』より)

(画像:ネットフリックス『新世紀エヴァンゲリオン』より)

 それだけにNetflixの世界配信スタートは画期的なこと。英語圏に住む多くの人に観る機会が与えられたことを感謝こそすれ、なぜファンは怒っているのでしょうか? その原因は大きく分けて二つあり、一つ目は英語版翻訳にあるようです。  特に物議をかもしているのは、主人公と同性愛的なニュアンスの関係を結ぶキャラクターだと考えるファンも多い渚カヲルが、主人公・碇シンジに言う「好きってことさ」というセリフ。ADVフィルム版では「I Love you」と「愛」を使っていたのに対し、Netflix版は日本語直訳の「I like you」に変わっていたことでした。
「ヱヴァンゲリヲン シンジ&カヲル タペストリー」ムービック(movic)

「ヱヴァンゲリヲン シンジ&カヲル タペストリー」ムービック(movic)

 これには多くのファンが「文脈がまったく変わってしまう!」「(同性愛者を排除する)ストレートウォッシングだ!」と猛反発。米東海岸にある大学でアニメ同好会部長を務めるアメリカ人男子学生に聞いてみても、「みんなの怒りは当然」という答えが返ってきました。 「僕もその一人ですが、この作品でアニメデビューしたというアメリ人はかなりの人数います。みんな思い入れが強く、『俺のエヴァはこんなんじゃない!』という怒りにつながったのだと思います。  あのシーンでLoveとLikeどちらを使うかは大きな違いです。シンジとカヲルの関係性を変えてしまう意味もありますが、これまで誰からも愛されてこなかったシンジが初めて愛を感じる重要なシーンでもあるからです」

セーラームーンの米DVDボックス販売会社はすぐに謝罪

『新世紀エヴァンゲリオン』の翻訳論争とほぼ同時期に、アメリカではもうひとつの人気日本アニメがLGBTQ問題で揺れていました。  6月18日に米国内で『美少女戦士セーラームーン セーラースターズ』のシーズン5セット1を販売したVIZメディアは、限定版特典であるブックレット上で、恋人として登場する女性2人のキャラクターの関係性を誤解させるスペル間違いを発見した、と公式ホームページで謝罪。本編に支障はないとしながらも、その1週間後にはわざわざツイッターで次のようなコメントを発表しました。 「VIZメディアは『美少女戦士セーラームーン』のローカライゼーションを任されるという名誉を受け、セーラーネプチューンとセーラーウラヌスがただの友人ではなく、(恋愛感情のある)パートナーである事実を認められることをとても嬉しく思っています」  この素早いレスポンスは、エヴァンゲリオンの「そうかもしれない」と思わせる微妙な関係性とは違って、セーラームーンの2人の関係が誰から見ても明らかなものであったからでしょう。 『新世紀エヴァンゲリオン』の翻訳論争については、Netflixから未だに正式なコメントはありませんが、翻訳者当人は「これまでどのような作品を翻訳する上でも私は原典に対して忠実であらんとベストを尽くしてきました。例外はありません」「解釈の余地を残すことで色々な事柄をワクワクさせることができるのです」と連続ツイートしています。
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エヴァのエンディング曲を巡って署名活動広がる
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