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『わた定』『あな番』の中国・ベトナム人役に日本人俳優、ハリウッドなら即炎上?

 先月終了したドラマ『わたし、定時に帰ります。』(TBS系列)は、アメリカ在住日本人の間でも人気のあった作品。
『わたし、定時で帰ります。』TBS公式サイトより

(画像:『わたし、定時で帰ります。』TBS公式サイトより)

「日本人はやっぱり働きすぎだよね」と共感する人や、「向井理がカッコ良すぎる」と萌え死にする主婦が続出し、放映中は筆者が住んでいたアメリカの小さな街の、小さな在米日本人コミュニティでもおおいに話題になりました。  でも絶賛する声と同時に耳にしたのが、「中国人店主を演じている役者さん、日本人だよね。あれ微妙じゃない?」という意見でした。

キャスティングで難航の『アラジン』、似た肌の色でも批判噴出?

 『わたし、定時に帰ります。』の中華料理店店主や、『あなたの番です』(日本テレビ系列)の中国人留学生・ベトナム人青年を演じているのは、いずれも日本人ですよね。  在留外国人の数が年々増えていることを考えれば、現代の日本の日常を描くドラマや映画に外国人キャラクターが登場するのは自然なこと。しかしその一方で国外から見ると、いまだに中国人やベトナム人などの外国人役を、日本人俳優が片言の日本語で「外国人っぽく」演じていることに違和感を持ってしまうのです。
 近年アメリカでは「ホワイトウォッシュ」にとても敏感です。これは、米国でマイノリティとされる黒人やアジア人、ヒスパニック系など、白人以外の役柄を白人の俳優が演じることを指す言葉。  オードリー・ヘップバーン主演の名作『ティファニーで朝食を』に登場した日本人を白人俳優が演じるなど、古くからハリウッドではひんぱんに行われてきたことでしたが、近年、そうした白人中心的な考え方が「差別につながる」という批判が高まってきました。
『ティファニーで朝食を』ミッキー・ルーニーが演じた日系人ユニオシ(画像:Wikipediaより)

『ティファニーで朝食を』ミッキー・ルーニーが演じた日系人ユニオシ(画像:Wikipediaより)

 日本人役(草薙素子)をスカーレット・ヨハンソンが演じて大炎上した『ゴースト・イン・ザ・シェル』のように配役一つで総スカンを食らい、興行的に大コケしてしまった事例もあります。
 そのため昨今は、原作に忠実なバックグラウンドを持つ役者をキャスティングするよう心がけるスタジオが増え、インド人役にはインド系の役者(『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』のイルファン・カーン)を、コロンビア人にはコロンビア人(『モダン・ファミリー』のソフィア・ベルガラ)をといった具合に変わってきました。  大ヒット中の実写版『アラジン』はホワイトウォッシュ批判を気にするあまり、キャスティングが難航したことで有名な作品。世界各国から候補者を厳選し、ランプの魔神ジーニーを演じるウイル・スミス以外の主要キャストは、中東、中央、東アジアの役者で揃えました。
 ところが『インディペンデント Independent』によると、ヒロインのジャスミン役に決まったインド系のナオミ・スコットに対し、「インド系はアラブ系とは違う」と批判する声が噴出したとか。  ハリウッド作品に対する世間の目は厳しく、たとえ肌の色が似通ったキャスティングをしても、「私たちの文化(人種)はそんなんじゃない」と不満を持つ人はある程度は出てきてしまうのです。最近では、キャスティングが窮屈になりすぎて、「演技者はどんな役柄でも演じられるべき。芸術はポリティカル・コレクトネスに動じるべきではない」とスカーレット・ヨハンソンが疑問を呈したことも。
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在米日本人の感想は?
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