お殿様を演じた及川光博、70歳頃には「インテリエロじじいになっていたい」
国替え(=藩丸ごとの引っ越し)を言い渡された姫路藩士たちの奮闘を描いた、星野源さん主演の映画『引っ越し大名!』が公開です。本作で、何度も国替えをさせられた実在の大名・松平直矩(なおのり)を演じた及川光博さんにインタビュー。
男色だったお殿様を演じた及川さんに、オファーを受けての感想や、リーダーに必要なことに始まり、美容で気を付けていることなどを直撃。さらに、50歳を迎えようとしている及川さんが目指す70歳像を伺うと、意外な答えが返ってきました。
――犬童一心監督と原作・脚本の土橋章宏さんからの熱烈オファーだったと聞きました。松平直矩は男色として有名だったお殿様です。そんな役をぜひ及川さんにと求められ、正直いかがですか?
及川光博さん(以下、及川)「嬉しいです。オファーをいただいたときは、熱烈オファーだとは知らなかったので、単純に脚本が面白くてぜひ参加させていただきたいと思いました。デビュー当時から中性的と言われてきましたが、その…自分でいうのもなんですけど、謎めいたというか、ミステリアスな魅力をフルに活用したいと思いました。ただ言っておくけど、僕に男色の気はないです。そこはちゃんと言っておかないとね(笑)」
――直矩はお殿様です。及川さんも、ご自身でライブの総合プロデュースをされていますが、リーダーには何が必要だと思いますか?
及川「求心力かな。カリスマ性があればもっと楽なのかもしれないけれど、みんなにカリスマ性があるわけではない。ではどうするか。カリスマ性は持って生まれたものだけれど、求心力は自分の努力次第で高めることができるよね。多くの人の心を動かす情熱を的確に表現すれば、人は集まってくると思う。あと、僕なりに言わせてもらえれば、大切なのは愛される努力」
――愛される努力は、努力の仕方を間違えると不幸になることもあります。
及川「そうだね。人に媚びへつらう人生になりかねない。サービスしすぎて心が摩耗していったり。愛されたいと願うなら、まず自分から愛すること。あと大事なのは清潔感。そして表情筋だな。しかめっ面して人の陰口ばかり言っているとそういう顔になって、心持ちもそうなってしまう。逆もしかりで、笑っていれば楽しい気持ちになるんですって。読者のみなさんには美容のためにも笑顔が大切だよとお伝えしたいです。笑顔だよ、ハートマーク」
――及川さんが美容で気を付けていることはありますか? アンチエイジングについてはどう思います?
及川「いよいよ気を付けていかなければと思っていますが、なかなか手間暇かけられなくて手を抜いちゃいますね。ただ、エステに行って、リンパマッサージはしてもらっています。リンパは勝手に流れてくれないと知りまして。それくらいかな。アンチエイジングについては、無理せず可能な範囲のなかで楽しく取り組めるなら素晴らしいと思います」
――本作では国替えという引っ越しのために、運ぶ荷物を極限まで軽くしようと武士たちがモノを捨てまくります。及川さんが、究極まで持ち物を減らすとしても「これは捨てられない!」というものを教えてください。
及川「名作漫画かな。4回くらい引っ越ししているんだけど、もう何年も読み返していない漫画でもやっぱり捨てられない。永井豪先生の『デビルマン』とか、大和和紀先生の『あさきゆめみし』とか、山岸凉子先生の『日出処の天子』とか。若いころに感銘を受けた漫画はどうしても捨てられないんだよね」
ミステリアスな魅力をフルに活用したいと思った
大切なのは笑顔だよ、ハートマーク
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『引っ越し大名!』は8月30日(金)より全国公開 オフィシャルサイト