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16歳の愛犬が旅立った日…病と闘い続けてくれてありがとう|ペットロス Vol.28

16歳の愛犬を亡くした心理カウンセラーが考えるペットロス Vol.28>  心理カウンセラーの木附千晶さんは、16年一緒に暮らしたゴールデン・レトリーバー「ケフィ」を2017年1月に亡くしました。

木附さんが16年間一緒に暮らした、ゴールデン・レトリーバーの「ケフィ」

 ケフィはメニエール病などと闘い、最後は肝臓がんのために息を引き取ったのです。前後して3匹の猫も亡くし、木附さんは深刻なペットロスに陥ってしまいます。自分の体験を、心理カウンセラーとして見つめ、ペットロスについて考えます(以下、木附さんの寄稿)。 =====================

ケフィは天使となって虹の橋へ

 2019年1月4日午前10時、とうとうケフィは天使になって虹の橋へと旅立って行きました。  クリスマス(ケフィの誕生日)を過ぎた頃から、機関車のような激しい呼吸発作の代わりに深呼吸のような息づかいをするようになっていました。その呼吸が、4日の明け方くらいからさらに深くなり始めました。前日に「(呼吸が)もっと深くなったら……ちょっと厳しいかもしれません」(獣医師)と言われたばかりでした。  20~30分おきに吐くそぶりを繰り返し、水を飲ませて落ち着かせようとしても、えづいてしまいます。すでに夜間救急は終了し、病院に連れて行くには朝を待たなければなりません。私は「ケフィ、苦しい?」「ずっと一緒にいるよ」と声をかけながら、抱きしめたりさすったりを繰り返しました。  その後、いったんは症状が落ち着いたのでしょう。眠ってしまった私は、激しくえづく音で目が覚めました。時計を見ると8時過ぎ。すぐに地元の動物病院に連絡しました。 「眼振があって、えづく状態が続いて水分も取れないようなら来院していただいた方がいいとは思います。ただ動かすことで状態が急変することもあり得ます」(獣医師)  電話を切って口元に水を持っていくとちゃんと飲んでくれたので、少し様子を見ることにしました。

事態は急変、激しくえづき始めるケフィ

 1時間後、事態は急変しました。ケフィは激しくえづきはじめ、眼は左右に揺れています。再度、動物病院に電話し獣医看護師と話していた最中、「そのとき」がやってきました。  ケフィは大きくのけぞったと思ったら、うなづくように2回、激しく首を振ったまま動かなくなりました。 「ケフィ!!」  私は叫ぶように声をかけ、抱きしめました。見開いた眼は、まったく焦点があっていません。今まで見送った動物たちの最期の瞬間がオーバーラップします。
風を感じる 木附さんが16年間一緒に暮らした、ゴールデン・レトリーバーの「ケフィ」

風を感じているケフィ

 動物病院へ運ぶため、車の後部座席に乗せようとすると大量のおしっこをしました。でも体はぐったりとしたままです。運転している間、私は、怖くて後部座席を振り返ることができませんでした。いつもはケフィをくるんだブランケットが、盛り上がったり沈んだりを繰り返していました。でも、今日は? 「もしかしたらブランケットはまったく動いていないのかもしれない」  そう思うと、怖くて振り返ることができず、ひたすら動物病院を目指しました。

家族に見守られて迎えた最期

 正月明けの動物病院には患者が詰めかけていましたが、優先的に診察をしてもらうことができました。獣医師が車に乗り込み、聴診器を当て、心臓や呼吸を確認すると……。 「もう……心臓も止まっていますし、息もしていません。おそらく家を出るときには亡くなっていたと思います。残念ですけど今からできることはちょっと無いかな、と思います」(獣医師)  長年の主治医である院長も来て、もう一度確認してくれましたが、やはり同じ意見でした。院長はケフィの肝臓のしこりを触り、こう言いました。 「この大きさの癌があって、ここまで生きたんだからケフィはうんとがんばった。もし今日、もっと早く病院に来ていても結果は同じだったでしょう。あっと言う間で苦しまなかったし、お家で家族に見守られて、いちばん楽で幸せな最期でした
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ケフィに最後のブラッシング
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