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義理の父に子供が殺される事件から思うこと/内田春菊

 近年、義理の父親によって非業の死をとげた子供たちの事件が注目されています。  東京目黒区の当時5歳の女児虐待死の裁判では、10月15日義父に懲役13年の判決が下りました。船戸結愛ちゃんは、しつけの名のもと酷い体罰を受け、食事も与えられず、病院にも連れて行かれないまま死亡させられたのです。
虐待

写真はイメージです

 また、さいたま市の教職員住宅で小4男児の遺体が見つかった事件では、無職の義父が殺人と死体遺棄の罪で10月31日さいたま地裁に起訴されました。  義父は逮捕後、「本当のお父さんじゃないのに、と言われ腹がたった」と電気コードで首を絞めて殺害した動機を語っていました。けれども、送検後一転し、死体遺棄罪については認めていますが、殺人罪については否認しているといいます。  もちろん、良い父子関係を築いている義父は世の中に多くいますが、一般的にシングルマザーが再婚するにあたっては、相手男性が良い父になってくれるかどうかを不安に感じることも多いのではないでしょうか。  養父から虐待を受け続け、またシングルマザーとしていわゆる子連れ結婚を過去にした経験もある、マンガ家・小説家の内田春菊さんはどう見たのでしょう?(以下、内田春菊さんの寄稿)

養われるという事はこれほど屈辱かと思うほどに威張ってた養父

義父の巻 義理の父に子どもが殺される事件が続き、たいへん困惑しますね。そんなことしてない義父だっていっぱいいるはずなのですが、数だけで言うと、子どもの虐待は昔から育ての父親に多く現れるらしい。私自身が子どもの頃は実父にも養父にも殴られてましたが、性的虐待にまで及んだのは養父だけ。実父は働かず、家にお金を盗みに来るようなタイプで、それを責めると暴力という流れだった。  実父が去った後現れた養父は私たちを養ってはいたが、養われるという事はこれほど屈辱かと思うほどに威張ってた。私が義父と書かず養父と書くのは、養われたけど母と結婚はしてなかったから(別に本宅を持っていた)です。母は入籍欲求を口に出せない代わりに養父を過剰にもてなし、ついにはすっかり反抗的になっていた私の体まで(しつけあるいは更生させるためという理由で)提供したわけですが、もともと小学生あたりから養父は私の体を触ったり「処女は俺が奪う」と発言したりと長年物欲しげにしていたのでした(詳しくは小説『ファザーファッカー』『ダンシング・マザー』に書きました《どちらも文藝春秋社刊》。)
『ダンシング・マザー』(著:内田 春菊、出版社:文藝春秋)

『ダンシング・マザー』(著:内田 春菊、出版社:文藝春秋)

 その後私は家出して親族と絶縁、4人子どもを産みましたが、実は「親になった」とはあまり思っていない。育ちのせいか、どうも最初からその言い方が好きじゃないのです。

子の前でだけいい顔しようとする男性たち

 今はスッキリ母子家庭ですが、子どもを作った相手3人のうち、結婚していた人もいるので、彼はその昔、子らの義理&実の父親兼私のヒモ夫でした。ある時から子らに対して、妙に見栄張ったり威張ったり張り合おうとするようになった。困って、「おまえ」という言葉を禁止したり、「あなたがお父さんにされたことを子にするのやめて」と言ったりしたが改善されないのでお金を払って出て行ってもらった。
内田春菊「ほんとに建つのかな」 (講談社文庫)

内田春菊「ほんとに建つのかな」 (講談社文庫)

 その後のBFも、子らと一緒に遊ぶようになると、何故かその時だけさほどないはずのお金を出す。それをきっかけに、以前は全部私が払っていたデート代が割り勘になっていったのでしめしめとは思っていた。が、なんで子の前でだけいい顔しようとするのかは考えないようにした。そういう傾向は男の病のようなものだと思っていたので、関わりたくなかったのだ。
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「子は家のもの」という発想のもとは?
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