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イナカ特有の悩み?隣家の老夫婦がずうずうしい…困った頼み事とは

 雪国で暮らす人にとって、冬はただ寒いだけの季節ではありません。なぜなら雪が降るたびに除雪をしなければならないからです。
雪かき、雪下ろし、北国、屋根

写真はイメージです(以下同じ)

 一軒家であれば玄関先を雪かきしなければ出入口がふさがってしまい、屋根だって雪下ろしをしなければ重みで家がつぶれてしまうことも。  また、マンションやアパート暮らしでも駐車場が屋外なら除雪しなければなりませんし、職場の雪かきをすることだってあります。

善意でお隣の老夫婦宅と2軒分を雪かき

 北海道在住の高城ひな子さん(仮名・39歳/パート)にとって12月~2月は、除雪のせいで普段より忙しいといいます。 「北海道でも雪の多い地域で、暖冬の年でもほぼ毎日雪かきしています。大雪の時期なんか朝昼晩と1日3回やらないと追いつかず、しかもウチは角地だったから除雪しなきゃいけないスペースが広かったんです」  ただし、雪国の人にとって除雪は家事の一部。もともと雪の降らない地方から嫁いできたひな子さんも「北海道だから仕方がない」と受け入れていました。  しかし、雪かきは重労働で年配の方にとっては本当にキツい作業です。地域には高齢者しか住んでいない家も多く、そういったお宅は近隣住民が協力し合い、代わりに雪かきをしてあげるのが慣習化していたそうです。 「お隣は80代の老夫婦が住んでいて、親しく付き合っていたわけではなかったんです。でも、こういうのは助け合いですし、主人と話し合ってお隣の分も一緒に雪かきするようにしていました」  これにはお隣も大喜び。何度もお礼を言われ、菓子折りなどをいただいたそうですが、それも最初のうちだけ。2年3年と経つうちにそれが当然のようになり、しまいには屋根の雪下ろしまで頼まれるように。 「ウチとは構造が違い、お隣は滑りやすいトタン屋根。一歩間違えには下に落ちて大ケガになりかねません。だから、そこは業者を頼んでくださいと断ったんです。  このときはそれで引き下がってくれましたが、『除雪だけでなく融雪剤を撒いてほしい』とか徐々に注文が細かくなっていったんです。図々しいとは思いましたが、お隣だから波風を立てなくないという気持ちがあり、私たちができる範囲でやってあげていました」 豪雪

引っ越したのに雪かきを頼まれた

 どこか釈然としない気持ちになりながらも雪かきをしていましたが、そんな日々にも終わりが訪れます。ひな子さん一家が引っ越すことになったのです。 「住んでいたのは主人がご両親から譲り受けた実家でしたが、老朽化ですきま風が吹くなどあちこちに傷んでいました。それで3年半前に同じ市内のマンションに移ることにしたんです。おかげで雪かきの必要がなくなり、それがなによりもうれしかったです(笑)」  ところが、雪の季節になるとお隣から雪かきの催促の電話が何度もかかってきたといいます。 「引っ越したことは知っているのにそれでも頼もうとしてくることに驚きました。一応、土地はまだウチが所有していましたが建物はすでに取り壊していましたし、除雪が必要な状態でもありませんでした。だから、このときも断ったのですが、今度はそこの自治会長さんから『雪かきに来てくれないか?』と言われたんです」  毎年雪かきを頼んでくる老夫婦

まるでこちらが悪者になった気分

 それでもひな子さん一家は、すでにその地域を離れている身。わざわざ雪かきのために戻って助ける義理もありません。 「お隣同士であればともかく、引っ越した後まで頼られても困ります。高齢者宅であれば、街に頼めば除雪車で家の前に溜まった雪をある程度持って行ってくれますし、最近は雪かきボランティアだってあります。  非情に思われるかもしれませんが、そっちに相談してくださいと言って電話を切りました。私の対応は決して間違ってないと思いますが、自分が悪いように感じてすごく嫌な気分でした」  いくら住民同士で助け合うといっても限度があります。やってもらった側もそれが当たり前のことではなく、あくまで人の善意のうえで成り立っていることを知るべきなのではないでしょうか。 ―シリーズ「地方の闇/都会の闇」― <文/トシタカマサ イラスト/カツオ> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
トシタカマサ
一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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