夫と心が通じない…「ご主人はアスペルガー症候群かも」と医師に言われた妻のショック
【わかりあえない夫と暮らして vol.2】
未診断だけれども発達障害が疑われるパートナーとのコミュニケーションに悩んだ女性・イクミさんの体験談です。
<前回のあらすじ>
イクミさん(30歳)は、結婚してからふさぎ込むようになった夫(36歳)との関係に悩んでいる。音や光に敏感な夫に合わせて静かに暮らす中、ある日「イクミを家族と思ったことない」と言われ絶望する。気持ちが通じ合わない関係に、どうしようもない孤独を感じて涙が止まらない。
「自分の人生なのだから、無理して他人に合わせる必要はない」とは彼がときどき口にする言葉ですが、彼の行動はだいたい、その考え方に忠実だとイクミさんは感じます。裏表がなく、とても正直で嘘をつかない彼の性格は、イクミさんにとって気持ちの良いものに思える一面もあるのです。
彼の主張がどうしても理解できないとき、たとえ「価値観の押しつけ」と言われても、イクミさんが意見を曲げずに議論しようとすると、彼はひどく疲れてしまいます。「考えたことのないことを考えるから、疲れて眠い」……。そして彼はすぐに眠り始めます。話題から逃げたくて「眠い」と言っているのではないか? イクミさんは最初こそそう思っていましたが、彼は言葉通り、本当に疲れてしまっているし、本当に眠くもなってしまっているようで、すぐさま寝入ってしまうのでした。
お互いに噛み合わない議論を長く続けていると、イクミさんはだんだんと自分が間違っているのではないかと思えてきます。自分の価値観を押し付け、わがままを言い、勝手に泣いたり怒ったりしているだけなのではないか。
そんなイクミさんの考えを聞いたある友人は、珍しく強張(こわば)った表情で言いました。
「彼もおかしいけどさ、イクミもおかしいよ。もう目を覚ましてよ」
その友人は、イクミさんを憐(あわ)れむような、悲しむような目で見つめながら続けました。
「イクミはその生活をずっとしていたいと思う? 毎日泣いているって、普通じゃないからね。ここまでコミュニケーションの仕方に悩む人、彼以外にいるの? 自分の我慢が足りないって、もし本気で思ってるなら、悪いけどイクミのほうがおかしいよ。そもそも、どうしてそんな人と結婚したの?」
彼との結婚生活を続けていくうちに、抱える悩みや考え方が、次第に自分自身の感性をも疑われかねないものに変化してきていることに気付くきっかけとなった一言でした。楽しかった交際期間よりも、泣いてばかりの結婚期間のほうが、いつの間にか長くなっていることにも。
もしかして、間違っているのは私なの?
「自分の人生なのだから、無理して他人に合わせる必要はない」とは彼がときどき口にする言葉ですが、彼の行動はだいたい、その考え方に忠実だとイクミさんは感じます。裏表がなく、とても正直で嘘をつかない彼の性格は、イクミさんにとって気持ちの良いものに思える一面もあるのです。
彼の主張がどうしても理解できないとき、たとえ「価値観の押しつけ」と言われても、イクミさんが意見を曲げずに議論しようとすると、彼はひどく疲れてしまいます。「考えたことのないことを考えるから、疲れて眠い」……。そして彼はすぐに眠り始めます。話題から逃げたくて「眠い」と言っているのではないか? イクミさんは最初こそそう思っていましたが、彼は言葉通り、本当に疲れてしまっているし、本当に眠くもなってしまっているようで、すぐさま寝入ってしまうのでした。
お互いに噛み合わない議論を長く続けていると、イクミさんはだんだんと自分が間違っているのではないかと思えてきます。自分の価値観を押し付け、わがままを言い、勝手に泣いたり怒ったりしているだけなのではないか。
「目を覚ましてよ」と友人に言われて
そんなイクミさんの考えを聞いたある友人は、珍しく強張(こわば)った表情で言いました。
「彼もおかしいけどさ、イクミもおかしいよ。もう目を覚ましてよ」
