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おみくじは結んで帰るべき?絵馬はなぜ“馬”なの?/初詣のお作法

 初詣の楽しみのひとつが、今年の吉凶を占う「おみくじ」。よく「吉が出たら持ち帰って、凶が出たら結んで帰る」という人がいますが…何か決まりはあるのでしょうか? また、小さい板に願いごとなどを書く「絵馬」は、なぜ“馬”の字が入っているのでしょうか?  神社検定(※)公式テキスト①『神社のいろは』(監修・神社本庁)から、それぞれの由来などをご紹介します。 おみくじ

おみくじを「結ぶ/持ち帰る」に、決まりはない

 おみくじは御神籤と書きます。その起源も古代に遡(さかのぼ)ります。古代においては、亀の甲羅を焼いて、そのひび割れ方で神様のご意向をうかがう亀卜(きぼく)が行われました。『日本書紀』には、有間皇子(ありまのみこ)が「ひねりぶみ」を選び取って謀反(むほん)の吉凶を占ったとあり、紙片などで作ったくじで神慮をうかがったことが記されています。  語源は、くじの形態から「串」だとする説や、訴訟やもめ事などを公正に判断する「公事(くじ)」からきたとする説など諸説があります。現在のようなおみくじの形態が生まれたのは鎌倉時代のことといわれています。  後に、寺院でもこれをまねて行うようになりました。おみくじが境内の木の枝によく結ばれていますが、これは願い事が「結ばれるように」との思いからきているようです。木を傷めることもありますから、指定の場所がある場合には、そちらに結ぶようにしましょう。日々の指針として持ち帰ってもかまいません。

絵馬の由来は、神様に生きた馬を奉納していたこと

 境内には絵馬が吊るされている絵馬掛けや絵馬殿(でん)があるところもあります。絵馬は、神々にお願い事をする際に、本物の馬を奉納していたことに由来します。古くから馬は神の乗り物とされていました。  これを神馬(しんめ)といい、神社によっては現在も神馬がいます。生きた馬が奉納できないときは、木彫りの馬像や板絵などを奉納しましたが、それが絵馬となっていったのです。遺跡からも出土していて、絵馬の原型は奈良時代からあったようです。  室町時代から馬以外の図も現れ、徐々に大型化する傾向も出てきます。専門の画家が腕をふるった額形式の豪華な大絵馬が登場し、絵馬を掛け鑑賞するための絵馬殿が造られたりもしました。 神社のいろは 絵馬 一方、一般の絵馬師や参拝者自身が描いた小絵馬も生まれ、これらは拝殿内や境内の絵馬掛けに吊るされました。絵の題材は、大絵馬には武者や歌人、小絵馬には祭礼の模様や干支、祈願の内容などさまざまでした。そして、その小絵馬が現代へとつながっているのです。現在では、絵馬は祈願のみならず、お土産としての性格のものも出てきています。 <ポイント> 古くから馬は神様の乗り物とされ、それは神馬と称されてきた。絵馬は本物の馬を神様に奉納したことに由来する。おみくじは、古くから「くじ」で神慮をうかがったことに由来する。 神社のいろは神社検定(神道文化検定):神社が好きな人や、日本文化をもっと知りたい方のための検定で、主催は公益財団法人日本文化興隆財団。第9回検定が令和2年6月28日(日)に全国で開催される <監修/神社本庁>
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