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宇垣美里、田中圭主演映画『mellow メロウ』への想いをつづる

 2019年3月にTBSを退社し、ますます活躍の場を広げたフリーアナウンサー・タレントの宇垣美里さん。
撮影/中村和孝

撮影/中村和孝

 コスプレ姿の披露や大のアニメ好きで知られていますが、映画愛が深い一面も。  そんな宇垣さんが公開中の映画『mellow』についての思いを綴ります。
● 作品あらすじ:オシャレな花屋「mellow(メロウ)」を営む夏目誠一(田中圭)。独身、彼女なしで「恋人は花」。  彼の姪っ子のさほ(白鳥玉季)は、転校後、小学校に行けない日がたまにあり、そんな日は夏目がさほを預かっている。  近所のラーメン屋の店主・木帆(岡崎紗絵)の亡くなった父の仏壇に花を届けるのも夏目の仕事。さほを連れて食べに行くことも。  ラーメン店には、ひそかに夏目に思いを寄せる中学生の宏美(志田彩良)はじめ様々な客がいたが、ある日、常連客の人妻・麻里子(ともさかりえ)に恋心を打ち明けられる夏目。しかも、その場には彼女の夫も同席していた…。  不器用な片思いをする人々の物語を、宇垣美里さんはどう見たのでしょうか?

たとえ実を結ばなくても、人が人を思う気持ちは美しく、愛おしい

映画『mellow』

『mellow』より

「ありがとう。でも、ごめんなさい」  その言葉を言うときも、言われるときも、共に胸に残るのは、ほのかな苦みだ。口にしてしまうほどに、育った思いはそのまま実を結ぶことなく空へと散ってゆく。今でも思い出せばちくりと心が痛むけど、大人になった今、その痛みすら大切に思えるようになった。
映画『mellow』

『mellow』より

 物語の舞台は、ゆったりと穏やかな空気が流れる町一番のお洒落な花屋と、古びたラーメン屋。そこで描かれるのは、身近で起きた些細な出来事が運ぶ、人と触れ合う中でこぼれ落ちるように生まれる感情の揺らめき。  風にざわめく葉ずれの音や小鳥のさえずり、ぱちんと茎を落とすハサミの音、ラーメンの湯切りをBGMに、何げない日常の中から溢れる人が人を思う気持ちは、温かくて、優しくて、眩(まぶ)しくて、おかしくて、きゅんとして、なのにどうしようもなく切なくて。寝る前に飲むホットミルクのようにほんのりと体の内側を温めていくのを感じた。  すべての思いが報われることなんてない。時に一方通行の思いに苦しむことだってある。でも、それでもいいやと、今は思う。片思いだって悪くない。
映画『mellow』

『mellow』より

「ありがとう。でも、ごめんなさい」  あの言葉は本当に拒絶の言葉だっただろうか。受け止めてはもらえなかったかもしれないけれど、でも確かに救われた思いもあるはずだ。誰かを好きになる、それだけで世界はこんなにも美しく彩りを増すのだったなあ。そんなことを思い出した。  さあ、今日は花屋に寄って帰ろう。誰かを思って花を選ぼう。夕飯はもちろん、ラーメンだ。
映画『mellow』

『mellow』より

『mellow』’20年/日本/1時間46分 監督/今泉力哉 出演/田中圭ほか 配給/関西テレビ放送、ポニーキャニオン photo:(C)2020「mellow」製作委員会 <文/宇垣美里> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
宇垣美里
’91年、兵庫県生まれ。同志社大学を卒業後、’14年にTBSに入社しアナウンサーとして活躍。’19年3月に退社した後はオスカープロモーションに所属し、モデル・女優業や執筆業などに幅広く挑戦している。
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