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会社を辞めて店を出す…夢の結果は「小遣いゼロ円」生活

 やっと景気が良くなってきたとはいえ、私たちの給料もどんどん上がるかというと……そう話は簡単ではない。特に、男性の給料はこの15年ダダ下がり中で、いまや男性の4人に1人が年収300万円以下。そこで、年収200万円台の40代男性に、その実情を取材してみた。

近くの工場がなくなり、お客さんが激減



●小島明さん(仮名・42歳・年収260万円)のケース
(焼き鳥店店主・既婚で子供2人神奈川県在住)

 会社を辞めたいサラリーマンが、脱サラして手を出しがちなのが飲食業だ。女性でも、「OLを辞めてカフェをやるのが夢」というような人は少なくない。でも、個人経営で店をやる大変さはサラリーマンどころじゃないことを、覚悟しておくほうがいい。

居酒屋

写真はイメージです

 実例を見てみよう。神奈川県で個人経営の焼き鳥屋を営む小島明さんは、会社員から飲食店に修業に入り、2000年に30歳で独立して現在の店をオープン。開業後3年は業績が良く、ピーク時の年収は700万円。主な客層は近隣の某大企業の工場に勤める人や、その下請け業者たち。1年を通して客足は多かった。

 小島さんが当時を振り返る。

「私は子供が2人いますが、それでも十分生活していけるだけの余裕があって、年に何回も家族旅行に行っていました」

 ところがリーマンショックによって、将来設計は大きく狂う。会社の経費で飲み食いする人が激減し、ついには主要客だった某企業が工場撤退を決定。下請け業者の倒産も相次ぎ、店の経営もかなり危ない状態となった。

「それからしばらくは細々ですが、何とかやっていけたんです。ですが、東日本大震災で消費が落ち込んでさらに追い込まれました」

 とうとう昨年の年収が約260万円になってしまった小島さん。家族の恒例行事だった旅行も、今では年1回あるかないか。小遣いも月5万円からゼロになった。

「今はとにかくお金を使わない。飲みにいくこともなくなりました」

 でも、小島さんに悲壮感はあまり感じられない。

「私たちはもっとも景気に左右される職業なので、世の中が良くならないと、自分が頑張ってもどうしようもない。子供の学費など不安はありますが、将来のことはとても考えられない。目の前の日々を生きていくだけです」

 小島さんのように覚悟のうえでやればいいが、甘い読みで手を出すと後悔しそうだ。

― 40代[年収200万円台時代]の衝撃【8】 ―




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