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妊娠体質をつくる「卵巣セラピー」とは?不妊治療より先にやるべきこと

「不妊治療をすればするほど、赤ちゃんを迎える体から遠ざかる」ケースが少なくない――そう警鐘を鳴らすのは、こまえクリニックの放生勲(ほうじょう・いさお)先生です。『卵巣セラピーで妊娠体質をつくる』の著者で、内科医の立場から妊活や不妊治療をサポートしてきた放生勲先生に、前回は不妊治療の現場を聞きました。  今回は、多くの人を妊娠に導いた、「赤ちゃんを迎えるこころとからだ」づくりについて聞きました。
赤ちゃん

写真はイメージです

基礎体温表からわかること

――不妊治療のイニシアチブは自分たちがとり、「こころとからだを作っていくことが大切」と先生は言われていますね。 放生先生(以下、放生):ヒトの1回の生理周期あたりの妊娠率はたったの15~30%です。人工授精は5~8%、体外受精だって20~25%。そもそも、ヒトは妊娠しにくい生きものなんです。この確率を上げるには、赤ちゃんを迎えるに十分なこころとからだが必要です。 ――それが先生の提唱される「卵巣セラピー」なんですね。 放生:ご存じのとおり、月に1回、左右どちらかの卵巣で1つの卵が成熟し、精子と出会うことで妊娠します。卵巣が健やかでなければ、いい卵が育つはずがありませんよね。また、着床から妊娠の維持に重要な役割を果たす女性ホルモンを分泌するもの卵巣です。卵だけではなく、卵巣、ひいてはからだ全体をケアすることが大事なんです。 ――具体的にはどんなことをするんですか? 放生:こまえクリニックに来た方には、一通りの検査をして、基礎体温をつけてもらいます。  理想的な妊娠しやすいからだになっていると、基礎体温は、跳び箱を飛び越えるような形を示します。つまり、平坦な低温期が続いたあと、勢いよく体温が上昇して高温期に入り、高温期が終わると、ストーンと体温が下がって生理が始まる。きれいに二層に分かれるのです。 基礎体温放生:高温相と低温相があいまいで、ダラダラとした基礎体温だと黄体機能不全が疑われますし、高温相と低温相に分かれていない場合は無排卵性月経の可能性があります。  まずは、基礎体温表から状態を確認し、薬や漢方薬を処方して、理想的な形を目指していきます。

漢方薬+西洋薬で、98日ぶりに生理がきた

――先生は漢方薬を使われるんですね。 放生:不妊のサポートを始めてから20年、漢方薬を使うのは効果があると確信しているからです。東洋医学では病気はからだのゆがみが原因で、そのゆがみを整えることで病を治すという考え方をします。不妊はストレスも含めた複数の原因が重なっていることが多いので、漢方薬との相性がいいのだと思います。 ――西洋薬とも併用されるんですよね。 放生:西洋薬は治療が必要なところにピンポイントで届けるもの、漢方薬はコンディション全体を整えるというイメージでしょうか。  たとえば、排卵障害の代表的な病気・多嚢胞性卵巣症候群で、「クロミッドを3錠飲んでも排卵しないんです」という方がいました。クロミッドは排卵誘発剤で、3錠というのは、副作用の心配もあって私的にはなかなか処方できない量です。  基礎体温表を見せてもらうと、36・7℃を超える日はまったくなく、聞けば、生理もしばらくないとのこと。生理がなければ妊娠もありませんので、彼女にはまず漢方薬では温経湯を処方。基礎体温を整えつつ、強制的に生理を起こす西洋薬を処方しました。  すると、基礎体温は上がり、ほどなくして、生理がきたんです。98日ぶりでした。 基礎体温事例――その方はその後、どうなったんですか? 放生:無事、妊娠しました。こまえクリニックでは基礎体温を整えつつ、タイミング法で妊娠の可能性がある方には、タイミングを指導しています。タイミング法は女性の排卵日を予測して、そこに合わせてセックスするというもので、重要なのが排卵日の予測です。不妊クリニックでは経膣超音波を使って、それを調べます。  しかし、市販されている排卵日検査薬を正しく使えば、わざわざ通院することも内診台に上がることもせず、自分たちで、もっとも自然な形でタイミング法ができるんです。
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市販の排卵日検査薬は使える
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