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宇垣美里が一番心に残った金言とは?/映画『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』

 2019年3月にTBSを退社し、ますます活躍の場を広げたフリーアナウンサー・タレントの宇垣美里さん。
宇垣美里さん

撮影/中村和孝

 コスプレ姿の披露や大のアニメ好きで知られていますが、映画愛が深い一面も。  そんな宇垣さんが公開中のドキュメンタリー映画『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』についての思いを綴ります。 『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』●作品あらすじ: 南米ウルグアイの第40代大統領ホセ・ムヒカ。極貧家庭に育ち、左翼ゲリラとして権力と戦って逮捕され、愛するパートナーと離ればなれの13年にわたる獄中生活を経て、大統領になり国民から愛されました。  全世界から注目を浴びるようになったきっかけは、2012年のリオデジャネイロの国連「持続可能な開発会議」でのスピーチでした。世界中に感動を与え、ムヒカは2013年、14年とノーベル平和賞にノミネート、日本でも多数の本が出版され2016年には初来日を果たしました。
世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ

左がエミール・クストリッツァ監督『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』より

「世界中で彼だけが腐敗していない唯一の政治家だ」と直感したのが名匠エミール・クストリッツァ監督。『アンダーグラウンド』をはじめとする名作を生み出し、2度のカンヌ映画祭最高賞(パルムドール)受賞など世界三大映画祭すべて受賞したクリトリッツァ監督は、2014年からムヒカの撮影を開始し、2015年3月1日に大統領としての任期満了する感動の瞬間までをカメラに収めました。  クストリッツァ監督は、ムヒカ夫人であるルシア・トポランスキー議員にもスポットをあてています。
ルシア・トポランスキーとホセ・ムヒカ夫妻『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』より

ルシア・トポランスキーとホセ・ムヒカ夫妻『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』より

 彼女もまたゲリラ活動に身を投じ、夫とは別に逮捕され合計で13年に及ぶ投獄生活を送りました。その後、上院議員を経て、夫の大統領退任後である2017年9月から2019年11月まで副大統領を、2020年3月から再び上院議員を務めています。  クストリッツァ監督は、ルシア議員がムヒカの成功の最大の秘訣だといいますが…副題にもある、愛と闘争の男のドキュメンタリーを宇垣美里さんはどう見たのでしょうか?

消費社会を毅然と批判。質素に暮らす柔和な大統領の人生に感嘆!

世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ

『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』より

 人生で辛い経験をしたぶんだけ他人に優しくなれる、というのはウソだと思う。苦い記憶は、目から光を奪う。自分を守ろうと猜疑心(さいぎしん)が強くなることがほとんどだ。そう思っていたのに、この人を包む温かい慈しみに満ちた雰囲気は、一体何なんだろう。  南米の小国ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領を初めて目にしたのは’12年のこと。ころんとしたふくよかな体形に、丸くて優しい目が印象的。穏やかな口調ながら、毅然と消費社会の危険性に厳しい指摘をした国連でのスピーチは、世界中で反響を呼んだ。
世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ

『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』より

 給料の大半をより貧しい人々へと寄付し、職務の間はトラクターで農作業。旧式のワーゲンをとろとろと運転するウルグアイの「世界で一番貧しい大統領」が劇中でマイペースに穏やかに語るのは、育てている花や、ともに戦い抜いた妻への思い。そして、左翼ゲリラとして活動に身を投じ、銀行をも襲撃、13年間投獄されたという壮絶な過去についてだ。
世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ

『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』より

「大勢の国民に選ばれたのなら、国民と同じ暮らしをするべきだ」と語り、実行する彼の姿こそ、多くの国民に慕われ愛されてきたゆえんだろう。爪の垢(あか)を煎(せん)じて飲むべき人の顔が数人浮かんだ。  ジョーク交じりに放たれるいくつもの金言は、愛と闘争の人生を生き抜いた人こそが持つ重みがある。その中でも一番心に残った言葉をお送りしたい。 「一人では難しいことも、愛する人がいれば乗り越えられる」  先の見えない不安定な毎日も、大切な人がいるからこそ私たちは頑張れる。頑張らなくてはならないのだ、と。 『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』’18年/アルゼンチン、ウルグアイ、セルビア/1時間14分 監督/エミール・クストリッツァ 配給/アルバトロスフィルム ©CAPITAL INTELECTUAL S.A, RASTA INTERNATIONAL, MOE <文/宇垣美里> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
宇垣美里
’91年、兵庫県生まれ。同志社大学を卒業後、’14年にTBSに入社しアナウンサーとして活躍。’19年3月に退社した後はオスカープロモーションに所属し、モデル・女優業や執筆業などに幅広く挑戦している。
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