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思春期の少年が眩しすぎる…フェチ写真集『スクールボーイ・コンプレックス』

 代表作『スクールガール・コンプレックス』(以下、『スクールガール』)では、独特でフェティッシュな感性で、多くの女子高校生を写真におさめてきた写真家・青山裕企さん。  以前この女子SPA!でも、ガールズフォトの撮り方を伝授してくれたほど“女子高校生”のイメージが強い青山さんですが、6月6日に発売された『スクールボーイ・コンプレックス』の主役はなんと“男の子”!  さらに気になるのが『コンプレックス』シリーズでは珍しい、“顔”が写った作品が数多く収録されているところ。これはただ事じゃない! ということで、青山さんを直撃しました。

妄想が生んだ前作、同性への憧れを感じた本作

はじめは『美少年写真集を作ろう』という企画だったんです。タイトルもこうなる予定はなかったんですよ(笑)。ただ、タイトルは違いましたが『スクールガール』のように身体のパーツを切り取る感じ、というコンセプトで考えていました」
『スクールボーイ・コンプレックス』グラフィック社

『スクールボーイ・コンプレックス』グラフィック社

 なんと、はじまりは美少年のパーツ写真集だったとは……!   それから現在のような体裁になった経緯とは? 「美少年たちのパーツを撮っている最中、どうもしっくりこなかったんですよね。『もしかしたら、手法だけ踏襲してもダメなのかも』と感じたんです」  その“しっくりこない”感覚の中で、自身の中にある「コンプレックス」の違いに気がついたそう。 「僕自身が男の子をどう見てるか、という部分が写真に入ってきてないんだろうなって思ったんです。『スクールガール』のときは、自分が思春期に感じていた女子との距離感とか、話せないとか距離感と妄想を写したものなんです」  もともと顔を切るという手法も“恥ずかしくて目を合わせられないから、今となっては顔が思い浮かべられない”というところから生まれている。 「僕は撮影しながらも、同性、ましてや年下の男の子に対して何も感じていなかったんですよね。でも、ちょうどこの表紙の写真を撮ったあたりで、男の子たちに何気なくバスケをしてもらったんです。  すると、バスケをしてる彼らに“少年の美”と“きらめき”を感じました。同時に、自分の青春はきらめいてなかったなあって、思い出しました。昔からひとりで家にこもっているようなタイプだったので、彼らのようにキラキラ輝いている少年たちを見ていたら、急に劣等感が湧いてきたんですよね」  その気持ちに気がついてからは、思春期の自分が「本当はこうありたい」という憧れを思い出しながら撮ろう、という方向に意識をシフトしたことで手応えを感じられたそう。
写真家・青山裕企さん

写真家・青山裕企さん

 そうして青山さんに芽生えた「同性への憧れ」が、今回のテーマ・コンプレックスにつながったんですね。 「本作のポイントは、顔が写っているのと同時に、扉の章立てに『梅沢と加藤』のように、名前が入っているところなんです。 『スクールガール』は、名前も顔もないので見た人によってそれぞれの思い描く女子の背中やうなじがあることで、僕のコンプレックスを共有できるんですが、男子を描くにあたって、顔が見えて一人ひとりキャラが立っていたほうが彼らのきらめきや美しさが伝わると思いました。女性にとっては、“単なる背中”よりも“加藤の背中”のほうが萌えるような気もしまして」  【後編】では、紆余曲折ありながらも、青山さんの感じた少年たちへの劣等感(コンプレックス)が生んだ珠玉の作品からお気に入りのものを、教えていただきました! 写真を一部紹介しつつ、解説いたします。 ⇒【後半】へ続く「思春期の少年が眩しすぎる…」
http://joshi-spa.jp/106488
●写真家・青山裕企オフィシャルHP http://yukiao.jp/ ●青山裕企写真集『スクールボーイ・コンプレックス』(グラフィック社)出版記念&サイン会(6月29日)詳細 http://pundit.jp/ ●青山裕企写真展『僕の妹は、写真家になりたい』『スクールボーイ・コンプレックス』同時開催(7月2日~7月19日)詳細 http://www.athens.co.jp/ <TEXT/大貫未来(清談社) PHOTO/写真提供・青山裕企>
大貫未来(清談社)
ライター(25)。女性向けウェブサイト、男性誌などで執筆。『女子SPA!』では、マンガやアニメな内容の記事を書きがち。写真は尊敬する夏目漱石先生を意識しました。
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スクールボーイ・コンプレックス

小学生から高校生まで、12人の男子たちの皮膚を突き抜けた「少年のなかにある美しさ」を収録。

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