ネット経由の“嫌韓・右翼”女子が急増している理由
右翼といえば、“黒塗りの街宣車に日の丸を掲げた男性”というイメージがあった。ところが、この2~3年、若い女性の間でも右寄りの思想に傾倒する人が急増しているという。彼女たちに取材すると、2ちゃんねるなどネット経由で、韓国・中国が嫌いになったという人が多い。
愛国活動に目覚めた女性たちを追って話題を呼んだルポルタージュ『女子と愛国』(2013年11月、佐波優子著、祥伝社)でも、「ネットで“真実”を知った」という話が何度も出てくる。
そこで、昨今の右派論壇(ネット右翼含め)に詳しいブロガー&投資家の山本一郎氏に、いわゆる“右翼女子”について聞いた。
「保守思想を持つ女性は昔から一定数いましたが、今はネットの普及でそれを表明しやすくなったというだけでしょう」。
とはいえ、「僕の考える本来の右翼女性とは勉強量が多く、異なる意見に対する理解力や洞察力、バランス感覚のある人ですね。具体例を挙げるなら某スポーツ新聞社の社主だった女性や、ジャーナリストの櫻井よしこ女史あたり」だという。
では、巷で右翼を自任する女性たちを見てどう思うのか?
「彼女らなりに、社会正義を実現したいという思いがベースにあることは否定しません。たまたま、日本人としてのアイデンティティを重視した結果というだけ。ただ、自己実現欲求や置かれた環境への不満などのはけ口として活動を利用している傾向が強いのでは。
社会経験が伴わないために事実関係の確認ができず、脊髄反射式に情報を鵜呑みにしてしまったり、極端な論調を事実だと強く信じ込んでしまっているように見えます。左翼も同じですが」
ちなみに活動していればモテるというのは本当なのだろうか? 活動仲間に女性がほとんどいないので、右翼男たちに惚れられて困る、という右翼女子もいたが……。
「まあ、右翼の男性は同じ右翼女性が大好きなんじゃないでしょうかね。
普通に考えても男性主体の団体が多い現在、女性であるというだけで座布団が何枚か敷かれた状態からスタートしてることは間違いないし、それは新興宗教やオタ系サークルと同じような現象でしょう。
僕の場合は逆(?)に、ネトウヨ女性から『生活が苦しいのでカネを貸してくれ』という話が立て続けにありましたけど」
― 急増する“右寄り女子”たちの主張【3】 ―