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妻を数カ月無視した夫…離婚裁判で驚きのホンネが。深すぎる“日本のジェンダー問題”が背景に

離婚 破局離婚を決意して私のもとを訪れたその女性は、夫から数カ月にわたって無視されていると言いました。夫は子どもとは会話をしますし、毎日妻が作ったご飯を食べ、妻が洗濯した衣類や下着を身に着けて仕事に出るのですが、妻からどのように声をかけられてもいっさい応答しないという日々が続きました。そこに妻が存在しないかのように目を合わせようともしないどころか、家のなかですれ違うときは露骨に避けるそうです。

離婚を決意した妻が知った真相

妻は夫に「どうして無視するの? 私が何か悪いことをした?」と何度も聞きましたが、夫は聞こえていないかのように頑として答えない……あのことが夫を不機嫌にさせたのだろうか、それともこのことだろうかと悩み、何度も夫に聞き、やはり無視されるうちに妻は、無視され続けることのあまりの精神的苦痛の大きさから、周囲から重篤な病気なのではないかと心配されるレベルで瘦せてしまったほどでした。 耐えきれず妻は離婚を決意し、最終的には裁判となりました。そこでようやく夫の「自分が機嫌を損ねた理由に、妻には自力でたどり着いてほしかった」という本音が明らかになったのでした。自分から言うのでは意味がない。妻がこちらの胸中を慮り、察し、理解する。そのことに意味があったのだ、と。

「妻が立ててくれない」

この夫が極端な性格なのだと思われるかもしれませんが、離婚裁判を扱っている弁護士なら、程度の差はあれ「よく聞く話」だと感じると思います。 妻側の代理人として夫から話を聞くこともあるのですが、「自分こそ、妻から愛されていない」「妻は自分に冷たい」というフレーズは、定番中の定番です。自分は妻を愛しているのに、妻はそうではない。だから自分が離婚を突きつけられるのは不当である、と本気で思っているのがわかります。 私から「どういうときに愛されていないと感じるんですか?」と問うと、「ここのところ、まったく立ててくれなくなった」と返ってきます。
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「自分はケアする主体である」という意識
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