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夏はプールやじゃぶじゃぶ池で「子どもを狙う性犯罪」に注意。巧妙な手口から子を守るには

「男の子だから大丈夫」ではない

後ろ姿の小学生 また斉藤氏は、200名を超える小児性犯罪の加害者臨床に携わってきた経験から、あえて男の子を狙うという加害者の多さについて指摘します。 「児童の性被害といえば、一般的には女児が被害者になるイメージを持つ人が多いのですが、男児の被害も現場では多数報告されています。男児は性被害に遭わない、という誤った固定観念から『うちの子は男の子だから大丈夫だろう』と考えている親も少なくありません。  しかし加害者によれば、男児はスカートよりも脱がせやすいズボンを履いていたり、子ども同士で性器を出してふざけて遊んでいることなど、女児よりも人前でズボンを脱ぐことに抵抗感が低い子も多いので、犯行時に手がかからないというのです。  ジャニー喜多川氏の性加害疑惑報道を取り巻く議論では『加害の対象になったのは、美しい容姿も関係しているのだろう』のような声も上がっていました。しかし性暴力は『子どもは、大人よりも弱い立場にいるために何をされているかわからないし、誰かに口外することはないだろう』といった加害行為を実行しやすい構造によって発生するものなので、外見の良し悪しに関わらず『子どもである』というだけで、被害者になる可能性は生まれてしまうのです」

「怪しい人について行かないでね」では防げない理由

 巧みな手口で加害行為をする小児性犯罪者もいる現状。性被害から子どもを守るため、どのような防犯策が有効なのでしょうか。 「まずは親御さんが、加害者の行動パターンについてある程度知っておくことが重要です。よく子どもにする声がけとして『怪しい人について行かないでね』といったものがありますが、実際の小児性犯罪者は“透明人間”になる。  つまり、見るからに怪しげな特徴はなく、目に見えないほど周りの景色に溶け込んでいるという意味です。性犯罪は被害者からの告発があって初めて加害者の輪郭が明らかになる。彼らの実態を理解するには、こちらが彼らの行動パターンを把握し、そこから慎重に見極めることです。  また、児童が被害に遭いやすい環境を知ることも防犯に有効だと思います。子どもが日常的に通りかかる通学路などの環境を共有し、人目に入りにくい死角などを一緒に確認したり、防犯マップを使って近隣の情報を把握、さらに被害に遭いそうになったら助けが求められるお店や知人宅などのスポットを教えておくなどするといいでしょう」
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被害だと認識されないように犯行に及ぶ加害者も
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