ここ数年、若者を中心に盆踊りが徐々にブームになっています。 　秋に入っても各地で開催されており、このブームをきっかけに盆踊りにハマったという人も少なくないのではないでしょうか。 　しかし、このブームの中「もう盆踊りはこりごりです……」と、語るのは都内のIT会社に勤務する大原ヒカリさん（仮名・33歳）。ヒカリさんには一緒に暮らしている7歳年上の恋人がおり、その彼が盆踊りにハマってしまったというのです。 「彼とは3年ほど付き合っています。仲はいいけれど最近はちょっとマンネリ気味で、土日にデートすることもないし、夜のほうもご無沙汰です。 　彼は40代になってから体力がなくなっているようで、基本的に家でゆっくりするのが好きなんですよね。そんな彼がある日、突然、盆踊りにハマり出したんです……」 　ことのきっかけは昨年の夏。ヒカリさんの彼、孝宏さんが会社の行事で盆踊り大会を開催したことでした。最初は「盆踊りなんて……」と文句を言っていた孝宏さん。しかし、最近の盆踊りは昔のイメージとまったく異なることを知ったのです。 「昔のような盆踊り音頭ではなく、最近は洋楽をアレンジしたものだったり、DJを呼んでクラブミュージックを流したりと音楽のジャンルも多種多様に進化しています。20代の頃、よくクラブで踊っていた彼にとってはドンピシャだったようですね」 　以来、すっかり盆踊りの虜になってしまった孝宏さん。それまで家でダラダラと過ごしていた姿はどこへ……？ と思うほど、家でも盆踊りの練習にのめり込んでいったといいます。 「今年も盆踊りシーズンに入り、昨年よりも規制がなくなったことから彼は都内各地の盆踊りに参加するようになりました。それだけでは飽き足らず、関東の郊外の盆踊りにまで参加するようになったんです。 　私も一度、ついていったのですが、彼が3時間とかぶっ通しで踊るので疲れちゃって。一心不乱に踊る彼の姿を見て、なんか変なクスリでもやっているんじゃないかって怖くなっちゃいましたね……」 　さらに、盆踊りを初めてから孝宏さんにある変化が訪れたと言います。