そのまま入れたら食中毒のキケンも。夏場のお弁当作りで“絶対に取り除くべきもの”
トマトのヘタだけじゃない。
こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、「一生モノの能力を養う食育」についてさまざまな実践法を提案しています。
毎日のお弁当作り、おつかれさまです。子どもだけでなく、自分や家族のために毎日続けるだけで大変ですが、梅雨時や夏場のシーズンは食中毒対策にも気を配らないとなりません。
おにぎりは素手で握らない、ジャガイモ料理を避けるなど、気をつけているポイントはいろいろあると思いますが、不十分な情報もたくさん出回っています。
例えば、おにぎりの具材に梅干しを入れれば大丈夫というケース。米粒に抗菌効果が施されるわけではないため、ごはんと一緒に炊き込む、全体に混ぜ込むほうが賢明です。
意外と知らない情報があったり、間違った対策をしている可能性もありますから、ここで一度改めて対策チェックをしてみるのはいかがでしょうか?
蒸し暑い季節がはじまる前に、自分や家族の健康を守るべく意識を向けてみるだけでも有意義だと考えます。ここでは最近特に話題になっている食材である「ミニトマト」をきっかけに、「要注意食材はミニトマトだけではない!」というお話も合わせてご説明したいと思います。
お弁当に入れるミニトマトが危険? えっ、なんで? と驚く方は少なくないでしょう。理由は2つあります。
まず一つ目は、ヘタの特長によるもの。ヘタのザラザラとした形状やくぼみのある構造が、食中毒の原因となる大腸菌などの繁殖しやすい状況を作り出してしまうのです。
練馬区の調査(※)によれば、区内で流通している農産物のうちトマトを含む生食野菜の細菌検査を実施したところ、約20%から食中毒の原因となる細菌が検出されたとのこと。トマトからは大腸菌が確認されています。
つまり、もともとの生野菜には問題となる細菌が付いている可能性があり、それらが残りやすい環境としてヘタの存在が指摘されているのです。
そしてもう一つは、ヘタ自体の有毒性によるもの。トマトのヘタには「トマチン」というジャガイモのソラニンと似た構造を持つ有毒性成分が多く含まれています(完熟果実にはほとんど含まれません)。
対策としては、細菌対策と合わせて幼児が間違ってヘタを食べることがないようにするためにも、ヘタを取ってからよく水洗いして水分をふき取るように心がけるのが推奨されています。
そしてここからがもっと重要な話。注意すべきは、ミニトマトだけではないのです。
※参照…ねりま食品衛生だより第73号
要注意食材はミニトマトだけではない
お弁当にミニトマトは、なぜ危険だと言われるのか?
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