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電車内で痴漢・ストーカー被害にあう車いす女性たち「誰も助けてくれなかった」:10月に読みたい記事

 車いすユーザーや、視覚に障害がある人が電車を利用する際に流れる「お客様ご案内中です。乗車完了」というアナウンス。実はこのアナウンスのせいで、痴漢やストーカー行為を受けている女性障害者たちがいます。
駅アナウンスによる女性障害者へのストーカー被害

写真はイメージです。

 NPO法人DPI日本会議が女性障害者への聞き取りをしたところ、「降車駅で待ち伏せされて家までつけられた」「下着の色を聞かれたり、卑猥なことを繰り返された」等の、卑劣かつ悪質な被害の実態が明らかに。NPO法人DPI日本会議事務局長の佐藤聡さんにお話を聞きました。(初公開日は2021年10月26日 記事は取材時の状況)

2、3年前からストーカー被害に悩んでいた車いす女性

2、3年前からストーカー被害に悩んでいた車いす女性

NPO法人DPI日本会議事務局長の佐藤聡さん

佐藤聡さん(以下、佐藤)「2、3年前から、車いすの女性メンバーが『ストーカーに追いかけられている、だから駅のアナウンスをやめてほしい』と話していました。ところが自分は同じ車いすですが、男なのでそういう被害を受けたことがなかった。ほかの男性車いすユーザーも被害に遭っていなかったので、全然ピンときていなくて。 そうしたら彼女が周囲の女性たちに聴き取りをしてまとめてきました。それが今年の8月25日にDPI日本会議のホームページで公開した12件の被害事例です。それを読んで、これは駅アナウンスが問題だとよくわかりました」  12件の事例は、本当に腹立たしいものばかり。似たような経験をした女性は少なくないのではないでしょうか。被害の事例は、以下のようなものでした。

可哀そうにと足をさすられた、誰も助けてくれなかった

可哀そうにと足をさすられた、誰も助けてくれなかった

写真はイメージです。(以下同じ)

【電車が動き出して間もなく男性が寄ってきて「品川でしょ? 送ろうか?」と何度も言われて、ずっと声を掛けられていた。やめてくださいと言っているのに周囲の人は誰も助けてくれなかった。(車いす使用者)】(2021年6月DPI日本会議調査より、以下同じ) 【地下鉄で車両内ドアのところに立っていたら「一緒に行きましょうか?」と言われ、断るのも失礼と思いそのまま行先を言って頼んだが、違うところに連れて行かれた雰囲気がしてきて、行き止まりのところだと気づいた。とりあえず慌てて行ける方に走って逃げた。(視覚障害者)】 【東京に出てきて初めての終電。ほとんどの乗客が酒臭かったのでアナウンスしないでくださいと頼んだのに、それでは乗せられないと断られたので、仕方なく乗りたくない一番後ろに乗せられた。べろんべろんに酔った男性が飛び乗ってきて、「居た! 手伝ってあげようと思って走ってきたよ。○○駅でしょ?」と言いながら可哀そうにと繰り返し足をさすられた。 「やめてください」といっても離れてくれず、私も逃げられず、大きな声をだしても周囲の人は聞こえないふりしているように感じた。とても辛く忘れたくても忘れられず今でも夢を見る。この話に触れるのはこれが最後にして前に進みたい。(車いす使用者)】
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ストーカー被害や絡まれるのは、女性ばかり…
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