いま小劇場に、注目のアラサー女性作家がゾクゾク登場
小劇場というジャンルがあります。200人ほどしか入れないようなサイズの劇場で開催される演劇公演。とはいえ、今や売れっ子作家の宮藤官九郎やTVドラマで良い味を出す俳優を生み出す土壌になってるんですね。なんて言ったって舞台はテレビなんかより規制なく自由にやりたいことができるから、爆発的に面白い可能性があるんですよね!(めっちゃつまんない可能性もありつつも)
そんな小劇場では、アラサー女性劇作家が描く舞台が評価されて、面白くなっています。演劇界の芥川賞と呼ばれる岸田國士戯曲賞を2009年に本谷有希子が受賞してから、アラサー女性作家が最終選考に残ることが多くなってきた。
女性であるだけで恋愛モノを書けば、こじらせ女子っぽかったり、プライベートを切り売りしているように見えたりするってスキャンダラスな感じだけでなく、男では描けない世界があることが発見されたんですね。
去年に至っては今までになく8人中に3人が女性作家が最終選考に残ることになりました。その三人、長田育恵(てがみ座)、瀬戸山美咲(ミナモザ)、西尾佳織(鳥公園)の手がける公演が11月~12月に続々と上演されるのでこれはチェックです。
演劇は東京と他の地域ではゼロの数が違うくらい規模に差がある中で、大阪を拠点にした小劇団、突劇金魚(とつげききんぎょ)の劇作家であるサリngROCK(さりんぐろっく)も2013年に第57回岸田國士戯曲賞最終候補に残ることで、その特異な名前を小劇場界隈で注目されました。
ずっと東大阪に住みながら、東京の新劇女優7人のユニットon7(オンナナ)に新作を書いて演出するなど、フットワーク軽く全国で活躍し始めています。
そのサリngROCKの作品『漏れて100年』は若手イケメン俳優4人組が演劇祭に出演するために書き下ろされました。その作品は演劇祭で300名程度が観たのちに、大阪の60人程度で満席になる小劇場で上演されただけなので、小劇場ファンですら、ほとんど観ている人のいないレアな作品でした。
大賞は逃したものの、観ている人の少なさから再演を希望する声もあり、2年越しで兵庫と東京で上演されることに。(兵庫公演は9月に終了)
もともと女子の気持ちを代弁したヒリヒリした作品で評価されていた劇作家だったサリngROCKは、これまたイケメン売れっ子演出家・山崎彬(悪い芝居:主宰)のアドバイスをもとに、男しかいない、子孫の残せなくなった人類最後の世界を描きます。5歳の男の子が仙人に山に連れていかれてから人と出会っては別れて生きた100年の終末ファンタジー作品。
俳優はそこはもう、30代半ばだから若いイケメンにちゃらちゃらしない。関西弁バリバリのいぶし銀の40代の俳優 緒方晋と、東京のファインアート劇団である範宙遊泳に所属する20代の個性派俳優 埜本幸良を迎えて上演。東京公演は戯曲賞の選考委員だった劇作家・俳優の岩松了氏や、5年前の大阪での戯曲賞でもサリngROCKを評価していた劇作家・女優の渡辺えり氏のトークも開催されます。
たまには小劇場の公演を観てみてはどうでしょう?
最初のイケメン俳優の一人、松田岳さんは、その後に『仮面ライダー鎧武/ガイム』に出演して一気にスターになっているんだから、これがまたどうなるのか観ておいて損はないです。
⇒【YouTube】「漏れて100年」予告動画 http://youtu.be/XRSDVbSPzy8
⇒【YouTube】突劇金魚「漏れて100年」チケット発売イベント(六甲山山中にて) http://youtu.be/DJRIrkEobPk
突劇金魚オフィシャルWEB:http://kinnngyo.com/
チケット情報WEB:http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=57498
●突撃金魚 第16回公演「漏れて100年」
[日程]
11/29(土)15:00/19:30
11/30(日)14:00/18:00
12/1(月)15:00/19:30
12/2(火)15:00
※開演の45分前より受付開始、30分前より開場
[料金]
一般前売・予約3,000円
大学生予約2,500円(要学生証提示)
高校生予約1,500円(要学生証提示)
*当日券はそれぞれより500円増し
・日時指定・自由席(整理番号付き)
・未就学児童のご入場はお断りしております。
[会場]
こまばアゴラ劇場
〒153-0041 目黒区駒場1-11-13
電話:03-3467-2743
URL:http://www.komaba-agora.com/
提携(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
<TEXT/女子SPA!編集部>