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「愛があれば勃たなくてもいい」わけがない!岩井志麻子が“便利な愛”に苦言

本当の愛をめぐる冒険/第2回 作家・岩井志麻子Vol.2】  パートナーと10年付き合っているゲイライターの渋谷アシルが、「本当の愛とはいったいなにか」を追求する冒険に出発。恋愛や男女関係のスペシャリストたちに話を聞いてまわります。  第2回のスペシャリストは、作家であり、破天荒なキャラクターでタレントとしても活躍している岩井志麻子さんです。

愛という言葉はとても便利なもの

愛という言葉はとても便利なもの「愛なんて言葉を振りかざして、“負け惜しみ”や“言い訳”に使う人がいる」と教えてくれた岩井さん。すべてを見透かしたような謎めいた笑みを浮かべて話してくれた内容は、耳が痛くなるような内容だったの……。 「愛っていう言葉はとても便利なものなんです。たとえば、ものすごい玉の輿に乗った女を見て、『あの女は金目当てで結婚した。あそこの家には愛がない』なんて言ったりするじゃないですか。芸能人の歳の差夫婦とか、社長と結婚したモデルさんとかを見ても、ネットが荒れたりする。  みんな、圧倒的に自分の夫や彼氏より学歴・経歴・収入・ステータスが高い男を捕まえた人を見て、自分自身を肯定するために『うちには愛があるから』って口にするんですよ」  た、確かに。加藤綾菜さん然り、紗栄子さん然り、ネット上では「金目当てだ」っていうバッシングがひどい。だけど、彼女たちに愛があるかどうかなんて他人にはわからないものよね。
岩井志麻子さん

岩井志麻子さん

「そうなんですよ。むしろそういうバッシングをしている人たちには、『あんたたちは人をそういう風にしか判断できないのか、よっぽど愛がない家庭で育ったんだな』って説教しちゃいますよ(笑)。  それと、以前週刊誌のオジサン記者が、『愛情さえあれば、セックスのときに勃たなくてもいいですよね?』なんてバカな質問をしてきたんです。わたし、それを聞いてもう大激怒してしまって。そんなもんはただの言い訳! ごまかし以外の何物でもないですよ。本当にその彼女のことを愛しているんなら、バイアグラでもなんでも飲んで勃たせてやれって説教しましたもん(笑)。ね? こんな風にみんな“愛”という言葉を使って、都合の悪いことをごまかそうとするんです。いやぁ、愛って本当に便利ですよね」

「愛があれば何とかなる」は間違い

 でも、そういう人がいる一方で、「愛があればなんとかなる」「愛があれば頑張れる!」と“希望”に置き換える人もいるわよね。だから、愛ってそんなに悪い側面ばかりじゃないような……。 「そういう人、いっぱいいますよねえ。でもね、もしもわたしの娘が『彼は暴力を振るうし、働かないし、お酒を飲んで暴れるんだけど、でも愛があるからなんとかするの』なんて言ってきたら、もう両者ともぶん殴ってやりますよ! そんなもん愛じゃない、愛があったらお前を殴らないし、一生懸命働くよって。結局、それだって言い訳、ごまかしですよ」 「愛があればなんとかなる」。こんなセリフ、一度は言ったことがある人もいるんじゃない? ぼくも昔言ったことがあるわ(恥)。だけど、現実的に考えると、愛だけではご飯も食べられないし家賃だって払えない。これって、結局のところ、思い通りにいかない現実から目を背けるための“逃げ”なのかも。人は、愛だけでは生きていけないのよね……。 ☆今週の格言:“愛”という言葉を現実から目を背けるために使っちゃダメ 【岩井志麻子さん プロフィール】 作家。高校在学中の1982年、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、1999年『ぼっけえ、きょうてえ』が選考委員の絶賛を受けて、日本ホラー小説大賞 を受賞。『岡山女』『trai cay(チャイ・コイ)』『自由戀愛』など、著書多数。「エロくて変なオバちゃん」というキャラクターを活かし、テレビ番組でも活躍中。最新情報はtwitter:@omekoboshi_infoにてチェック。 <TEXT/渋谷アシル> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【渋谷アシル プロフィール】 昼間は会社員の仮面をかぶった、謎のゲイライター。これまでお付き合いしてきたオトコをネタに原稿を執筆する、陰険な性格がチャームポイント。オトコに振り回される世の女性のために、ひとり勝手にPCに向かう毎日。
渋谷アシル
昼間は会社員の仮面をかぶった、謎のゲイライター。これまでお付き合いしてきたオトコをネタに原稿を執筆する、陰険な性格がチャームポイント。オトコに振り回される世の女性のために、ひとり勝手にPCに向かう毎日。
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