夫と交われない、祖母が認知症…切実だから笑ってほしい!【山本ゆり×こだま対談】
恥ずかしいこともネタにして楽しませたい
こだま:意外です。
山本:小さいことでいえば、髪の毛がおかっぱだったこととか、母親のことをママっていうのが周りで私だけだったこととか、運動神経が悪かったこととか、他にもいろいろコンプレックスだらけで。それで、一度赤面すると、余計に恥ずかしくなって。
こだま:前もなったからまた赤くなってるんじゃないかと思うと、余計に赤くなっちゃうんですよね。
山本:そうそう、恥ずかしいから赤くなるんじゃなくて、赤くなると思うから恥ずかしいんです! でもいつからか、色んな問題は自虐やネタにして友達に話すようになっていたような気がします。
こだま:それはブログの雰囲気にも表れていますね。友達に向けてしゃべっているような親しみやすさがあって、知り合いじゃないのにすごく親近感を抱きました。山本さんのブログは、友達もみんな見ていて楽しんでるんですよね? そこが羨ましいなと思います。
山本:こだまさんがブログをやっていることは、家族や友達は本当に知らないんですか?
こだま:ええ、インターネット上で交流している人以外は、一切誰にも言ったことがないです。そもそもネットに文章を書き始めたのも、周りの人には言えないようなことを、ここで吐き出さないといつ死んじゃうかわからない……みたいな気持ちで書いていたので。
山本:文学フリマとかに出展したときは、ご自身も足を運ばれてるんですか?
こだま:顔も身元も隠しているくせに、そういうのには行っちゃうんです。やってることが、ちぐはぐですよね(笑)。
この本のもとになった文章も、もともとは「A4しんちゃん」というサークルが文学フリマで売る同人誌『なし水』の中の一編でした。一緒に作っている爪切男さん、たかさん、のりしろさんといった方たちがおもしろい方ばかりなので、彼らに負けないものを書くためには、自分の一番恥ずかしい部分をさらけ出すしかないと思って。
彼らに認めてもらいたいという一心で書いた文章なので、まさか書籍化されるとは思ってもみなかったですね。
<TEXT/福田フクスケ PHOTO/林紘輝> 1
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