『偽装不倫』で騒然。「私は産む機械なの?」妊娠をめぐる夫からのモラハラ
第7話で番組最高視聴率、11.3%を記録したドラマ『偽装不倫』(日本テレビ系、水曜午後10時~)。
物語の主軸は杏が演じる婚活に疲れた32歳のアラサー独女、濱鐘子(はま・しょうこ)が旅先で出会った25歳の伴野丈(宮沢氷魚)に、「自分は既婚者だ」とウソをついたことですが、視聴者の注目度が急上昇していたのは、鐘子の姉で37歳の吉沢葉子(仲間由紀恵)と、41歳の賢治(谷原章介)夫婦の今後でした。
モラハラ(モラルハラスメント)とは、モラル(道徳)による精神的な暴力や嫌がらせを意味します。夫婦間では定義しづらいのが現状かもしれません。賢治は葉子に、どんな言葉でモラハラを行ったのかを台詞で再現してみましょう。
賢治「(新婚当時に)来年には育休とれるように調整しといてくれる?」
葉子「えっ!? 私たち、まだ結婚したばかりよ? もう少し2人の生活を楽しんでも……」
賢治「いやいや。葉子はもう35歳だから、待ったなしだよ」
葉子「待ったなしって……」
賢治「だから僕はこの家に入って“マスオさん”しているんだから。二世帯住宅なら、お義母さんにいつでも子どもの面倒見てもらえるし」
葉子「でも、そんなに焦らなくても」
賢治「何言ってんのぉ。将来のこと考えたら、1日でも早いほうがいいって! 来年、子どもが生まれたとして成人の時に僕は……う~ん……。息子と一緒にハワイでサーフィン、ギリギリだなぁ」
葉子「そんなの、(生まれてくる子どもが)息子かどうかなんてわからないじゃない」
賢治「大丈夫×2。もし女の子なら、もう1人産んでもらうから。とにかく僕は、早く子どもができるよう頑張るから」
女性なら、賢治の言葉に込められた女性への「地雷ワード」2つが理解できると思います。「もう35歳だから、待ったなしだよ」。もう1つは意訳しますが「自分がサーフィンをできるうちに産んでほしいのは男児確定で! 第一子が男児ではなければもう1人産めばいい」という言葉です。
この2ワードを、女性を蔑視したモラハラと受け取る女性も多かったかもしれません。ですが、日常的にモラハラを受けている女性は表面化こそしないものの、実在しています。今回は賢治と葉子の関係と同じく、「妊娠出産をめぐる夫からのモラハラ」に耐える2人の女性のケースを紹介します。
佐和子さん(仮名/35歳)は、結婚2年後に男児を出産。当時2歳だった子どもは最も手がかかる時期だったそう。佐和子さんは仕事をしつつ家事と子育てを両立し、全く家事や育児に参加しない夫の面倒も引き受けていたそうです。
そんな日々をすごしていた時のこと。夫から「2人目がほしい」と要求されました。最初は応じていたものの、排卵日チェッカー(1ヶ月のうち最も妊娠しやすい2日間がわかるスティック)を夫も一緒に確認し、排卵日「しか」求められない関係になっていきました。
排卵日「しか」求められない現実に、佐和子さんは次第に「私は子どもを産む機械なの!?」と疑問を持ち悲しみ、関係を拒否するように。以来10年以上、セックスレスとのことです。
「子どもを産む機械」。以前、某政治家が発言して話題になりましたが、女性は子どもを産む「機械」でもなければ、「装置」でもありません。賢治が葉子に言った言葉は、立派なモラハラではないでしょうか。
「賢治の目が笑っていない」「不倫をする葉子が悪い」とネット上では意見が飛び交っていましたが、今回発覚した賢治のモラハラ夫ぶりに「だから葉子は不倫をしたのか……」という声もチラホラ。
モラハラ夫の賢治にドン引き
子作りの時しか関係を持たない夫
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