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氷川きよし、ビジュアル系に変身して演歌にも変化が…

 芸能活動20周年を迎えた氷川きよし(42)の“変身”ぶりに拍車がかかっています。11月19日リリースの「確信」は、ビジュアル系のメイクで激しいロックを歌う衝撃の新曲。
氷川きよし『GQ JAPAN』

『GQ JAPAN』2020年1・2月合併号 Photographed by Hiroshi Kutomi@No.2 © 2019 CONDÉ NAST JAPAN. All rights reserved.

 25日発売の男性誌『GQ JAPAN』最新号でも、パープルの羽に包まれ、恍惚とした表情を浮かべる写真が掲載されているそう。同誌のインタビューで、「自分らしく生きたい」と語る様子から、単なる話題作りではない決意が感じられます。
股旅演歌名曲選 II/箱根八里の半次郎

昔のきよしはこうでした。『股旅演歌名曲選 II/箱根八里の半次郎』(日本コロムビア、2000年)

イメチェン後、演歌にもナチュラルな風格が

 以前から、アニメ『ドラゴンボール超』の主題歌「限界突破×サバイバー」を熱唱したり、NHKの『うたコン』でクイーンの「We Are The Champions」に挑戦したりしてきた氷川きよし。メイクとともに音楽性もシフトチェンジしてきたことも合わせると、新たな歌手像を追求し始めたと言えそうです。  今後は、邦楽ロックだけでなく洋楽のカバーにも期待したいところ。ジョージ・マイケルなどの有名どころや、ソフト・セル(イギリスのシンセポップユニット)の「Say Hello, Wave Goodbye」なんて、彼の声に合うんじゃないでしょうか。  ですが、同時に股旅ものや男歌なども歌い続けてほしいと切に願います。イメチェン後に披露したかつてのヒット曲にナチュラルな風格が漂っていたからです。  17日放送の『新BS・日本のうた』(NHK BSプレミアム)で披露した「一剣」は、朗々としたさわやかな力強さに溢れていました。太い眉毛のころには必要以上に男らしさを脚色する場面があったのですが、V系きよしからは余計な力みがきれいに消えていたのですね。そのため、以前よりも楽曲の良さがダイレクトに伝わってきました。 “自分らしさ”の呪縛から解放されたのでしょうか、曲をねじ伏せるのではなく、声を曲に乗せる軽快な歌に、“新生・氷川きよし”の真髄が詰まっていると感じた次第です。
演歌名曲コレクション6~一剣~ 氷川きよし

太眉だった『演歌名曲コレクション6~一剣~』(日本コロムビア、2006年)

新生・氷川きよしが紅白の目玉になるかも?

 さて、そうなると気になるのが、紅白で何を歌うのか。インパクトを狙って、ビジュアル系ハードロックか、それともデビュー20周年を記念してデビュー曲「箱根八里の半次郎」か。  目玉がないと言われている令和初の紅白ですが、今回ある種のカミングアウトをした氷川きよしがダークホースになるかもしれません。  多様な性のあり方を受け入れる社会情勢の面から、そしてそのことが音楽によい影響を与えうるという面からも、示唆に富んだパフォーマンスを見せてくれるはずです。 <文/音楽批評・石黒隆之> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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