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プロ級・肉じゃが作りに絶対必要な調味料は1つだった

私、今日から料理上手です Vol.8】  ちょっと煮くずれつつも、ホクホク。 プロ級の肉じゃがを作るために絶対に必要な 調味料は1つだった 家庭料理の中で不動の人気を誇る「肉じゃが」。皆さんは上手に作ることができますか? 使う食材が特別ではないものの、おいしいものとそうでないものは大きな差があるように感じます。私が思う“おいしい肉じゃが”とは、主役のジャガイモが程よく煮くずれしつつも、ホクホク感を感じること。もちろん味がしっかり染みていることも大事ですよね。実は、コツはたった一つと言っても過言ではありません。  そこで今回は、王道料理「肉じゃが」をプロ級に仕上げるコツとレシピをご紹介したいと思います。

コツは1つ。「料理酒」をたっぷり使うこと

プロ級の肉じゃがを作るために絶対に必要な 調味料は1つだった

最近では糖質ゼロタイプも登場している「料理酒」

 結論から言えば、最大のポイントは、「料理酒」にあり。料理酒の特徴を理解して、肉じゃがを煮込む際に適量を加えることなんです。ということで、改めて料理酒の働きを整理することにしましょう。主な働きは以下の3点に集約されます。 ①料理に旨味やコクを与える。 ②具材をやわらかくする。 ③食材の臭みを消す。  これを聞いただけでも、煮物に料理酒が欠かせないことは想像できるでしょう。でも、冷静に考えてみてください。どう使えば、おいしくなるのでしょうか? 特に、「食材の臭み」を消すって、どこまでなのでしょうか? 正直なところ、鮮度の悪い臭いものをすべて消し去るようなパワーは料理酒にはありません。じつは、料理酒が素晴らしい理由は、別にあったのです。

酒の素晴らしさは、蒸発しやすいこと

 煮汁に酒を加えて煮物を作ると、水分だけで煮た時と比べると酒の分だけ早く蒸発する性質こそが、おいしい煮物を作る上では大事なのです。つまり、食材が適度に加熱されるベストタイミングで、水っぽくならずに煮詰めることができるということなのです。  酒をしっかり使うことで、肉や魚はふっくら、野菜もべちゃべちゃすることなく煮ることが可能になります。その上で、旨味やコクが加わることで、おいしい料理が仕上がると理解すべきでしょう。  ということで、料理酒をしっかり使い、他の調味料や具材は限りなくシンプルに加えて、「最高の肉じゃが」を作ることにしましょう。

これぞ最強「おいしい肉じゃが」の基本レシピ

プロ級の肉じゃがを作るために絶対に必要な 調味料は1つだった【材料(鍋1杯分=4人分)】 ジャガイモ 中サイズ5個程度 人参 1本 豚肉(こま切れ・バラ肉など) 200g しらたき 1袋 エンドウ(あれば) 適宜 水 400ml(IH調理器の場合は300mlに減らすこと) 酒 100ml 砂糖 50g 醤油 大さじ4 【作り方】 (1)ジャガイモは皮をむき、1/4サイズに切って水にさらす。人参は一口サイズの乱切りにする。しらたきは事前に下茹でしておく。豚肉が大きい場合は、食べやすい幅に切っておく。エンドウは塩ゆでしておく。 (2)鍋にジャガイモ、ニンジン、しらたき、水、酒、砂糖を加えて火にかける。落し蓋をして15分煮る。火加減は弱めの中火。 (3)豚肉と醤油を加えて、5分~10分煮る。ジャガイモが煮崩れてくるタイミングで火を止める。 (4)お好みの器に盛り、エンドウを添える。  この他にもレシピは多々ありますが、シンプル料理は手間もなく、自分のレパートリーにも加えやすいはずです。さあ、料理酒の力を信じて、シンプルに、肉じゃがを作ってみてください! <文・写真/スギアカツキ> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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