木村拓哉、初ソロライブでみせた“大人スピリッツ”とは
<ジャニヲタ歴20年・みきーるのJ-ウォッチ>
「“キムタクなんて”って言う人ほど、ライブに来い!って思うよ。イッパツで落ちるから!!」
『TAKUYA KIMURA Live Tour 2020 Go with the Flow』――木村拓哉さんソロライブの帰り道、興奮冷めやらぬ様子で語る男性ファンの言葉に、近くを歩いていた私はブンブン頷きました。
「最初、木村さんが飛び出してきたとこで、もう絶対全部持ってかれる!」
いやまったくそのとおり。
1月8日にソロアルバムを発表した木村さん。そのファーストライブは、彼が親しむ青く温かな海に招かれたような、居心地のいい空間でした。木村さんにとっても、およそ5年ぶりのステージ。
おたがい様子を見合う、ソフトな始まりになるかと思いきや、待ち合わせ場所に現れた彼に手を取られ、一気に海へと駆け出すような爽快なスタート! 冒頭の彼が言葉にしたように、イッパツで恋の渦に呑まれる高揚感。キャプテンすげぇ!!
今回、随所で「大人な感じで行きましょうよ」と語っていた木村さんですが、その大人スピリッツのいくつかを挙げてみます。
「ペンライトは4回作り直しました。(大人のみんなが持つのだから)先っぽに何か付いていたら、子供っぽいかな、と考えて」
白とブルーに発光するペンライトは、すっきりとシンプルな形状で、余計なものを脱ぎ捨てた大人によく似合うデザイン。振ると、揺らめく波のように客席が彩られました。
また、ビーチサンダルも、最初は“2回履いたら終わりそうなもの”だったのをしっかりとした作りに変え、ペラペラだったバスタオルも「きちんと水を吸う、厚手のもの」に変更したとのこと。
「もし、小さなお店をやるとしたらどんな商品を並べたいか」を軸に考えたそうで、大人が納得して使えるものをそろえてくれたのだと思います。
「何を食べたら、木村くんみたいになれますか?」という6歳の男の子からの質問に、「まずは(男の子の嫌いな)キノコを半分食べられるといいかな。そうして、お母さんの出してくれるキノコを全部食べられるようになったら。あと、納豆が嫌いじゃなければ、納豆を食べると僕みたいになれます」と、丁寧に答えてあげた木村さん。
あどけない質問もやっつけで返さない優しさに、大人の包容力を感じます。
ジャニーズ名物“トロッコ”に乗って客席に現れた木村さん。トロッコ移動中、自分の側を向いてもらえたファンはいいのですが、反対側はさみしいもの。
しかし、木村さんは実にリズミカルに向きを変え、さらに「これは後ろから見るのが正解!」という魅力的な立ち姿を、都度都度キメてくれるのです。それも、ヤンチャだったり可愛かったりセクシーだったりと、さまざまに。
全方位死角なしの美姿を披露できる大人ジャニは、木村さんだけといえましょう。単に姿が美しいだけでは、とてもできない芸当です。
アルバム曲のみならず、「あすなろ白書」の「TRUE LOVE」、「ロングバケーション」の「LA・LA・LA LOVE SONG」など出演作の主題歌も披露した木村さん。ひときわ胸を打たれたのは、万感の思いを込めて歌ってくれたSMAP・「夜空ノムコウ」です。
明石家さんまさんから、「歌は(作った人だけでなく)聴く人のためのものでもある」と背中を押されたそうですが、素敵な曲の数々が、ずっと歌われずにいることは切ないもの。静かにうずくまっていた歌をそっと抱き上げ、声をのせ息を吹き込んだ木村さんは、本当に尊いと思いました。
木村拓哉さんの魅惑のもてなしを受け、2時間強の公演は、あっという間にフィナーレを迎えました。今もなお、余韻で身体が震えています。
後輩たちは、喜ぶといい。これほどの“越えられない壁”があることを。目の前に、愛と情熱を湛えた木村拓哉という大海原が広がっていることを。
彼を見て研鑽を重ね、素敵なジャニーズがたくさん育つといいですね。
『Go with the Flow』公演は、2月11日(火)に国立代々木競技場 第一体育館で東京ラストを飾った後、2月19日(水)~20日(木)は大阪城ホールにて開催。
<文/みきーる イラスト/二平瑞樹>
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みきーる
ジャニヲタ・エバンジェリスト。メンタルケアカウンセラーⓇ。女子マインド学研究家。応援歴20年超のジャニーズファン。女心を知って楽しく生きるためのライフハック“女子マインド学”を提唱。著書に『ジャニ活を100倍楽しむ本!』(青春出版社)『「戦力外女子」の生きる道』他。Twitterアカウント:@mikiru、公式ブログ:『ジャニヲタ刑事!』