中島裕翔『僕はどこから』で“アイドルオーラ”を消して熱演中の役って?
<ジャニヲタ歴20年・みきーるのJ-ウォッチ>
「仙道敦子さんがうらやましい~!」
ふいに、隣のテーブルから声が上がりました。日曜日。昼下がりのカフェでおしゃべりする彼女らは、ぱっと見40~50代。
「仙道敦子さん?! どういうことだってばよ?」と思いつつ耳を傾けると、どうやら中島裕翔さんが主演するドラマ『僕はどこから』(テレビ東京系)の話らしいのです。

ああッ、わかる! そういうことなら、ゲロわかる!!
本作で仙道さんは、主人公・竹内薫(中島さん)の母で若年性アルツハイマーを患った女性・陽子を演じています。薫は少女のようになってしまった彼女を献身的に支える青年です。母が不安そうにしていれば親身に話を聞いてやり、食事を食べこぼせば口元をぬぐい、うなされて悲鳴をあげれば飛んできて手を握り、「大丈夫ですよ!」となだめ……。
「息子が中島裕翔くんで、しかもこんなに手厚く介護してくれたらと思うと、悪くないと思っちゃう!」と、グループの中のおひとり。思っちゃうのか!思っちゃうよな!とうなずく私。ついに“介護されたいジャニーズ”の登場か?
薫は、人の書いたものを書き写すと、その“思考”をコピーできる特殊能力を持っています。しかし、人の思いを宿せるがゆえ、“自分”の存在を実感できず苦しみ……。
作家志望なれど“自分の作品”が書けずに悩むさまは、見ていて切なくなるほど。この“懸命なのにうまくいかない感”も、お母様がたの涙をしぼります。
また、生(き)のままの黒髪にメガネ、質素な服装の薫はひょろりとして頼りなく、「なんか、うちのコみたい」という声も聞こえてきます。
そう、本作で中島さんは、その輝くオーラをフル密閉しておられるのです。薫に中島さんの華やかさはまったくなく、もし彼が「僕、Hey! Say! JUMPの中島裕翔なんだけど」と言おうものなら、一笑にふしてしまいそう。
オーラのある人はたくさんいる。けれどそれを自在に操れるのは、ほんのわずかに限られます。大抵の人はダダ漏れさせてしまうのに、オーラを消して別人になれるのは、一流の証。中島さんは、稀有なそのお一人なのだと思います。
薫は、今はヤクザとなった学友の智美(間宮祥太郎さん)に協力し、人生の大博打に打って出ますが、中島さんがオーラを切り替えたら、智美役も素敵に演じられると思うのです。
さらに、新ドラマ『SUITS Season 2』(フジテレビ系)では、前作に続いてスラッとした弁護士・鈴木大輔役が決まっている中島さん。こちらではクールなオーラを放出してくれそうです。
本当にカッコいい役も、本当に地味な役も演じ分けられる、リバーシブルなジャニーズは彼ひとり。
「お母様」と呼びながら世話してくれる“薫”に目を細めつつ、早くも「鈴木先生にはいつ会えるの?」と思ってしまう……。
中島裕翔さんって、まったく罪なヒトですね。
<文/みきーる イラスト/二平瑞樹>
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みきーる
ジャニヲタ・エバンジェリスト。メンタルケアカウンセラーⓇ。女子マインド学研究家。応援歴20年超のジャニーズファン。女心を知って楽しく生きるためのライフハック“女子マインド学”を提唱。著書に『ジャニ活を100倍楽しむ本!』(青春出版社)『「戦力外女子」の生きる道』他。Twitterアカウント:@mikiru、公式ブログ:『ジャニヲタ刑事!』