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そのダイエット間違ってます!肥満外来で教える「4つのステップ」

 太るのは簡単なのに、やせるのは至難のわざですよね。「もう自力でダイエットなんて無理!」という人ために、お医者さんによる「肥満外来」というものがあります。一体どのようなダイエット方法が伝授されているのか?  30年間で3万人、計3トン(!)もの脂肪を落としたという、肥満外来の医師・左藤桂子先生(佐藤桂子ヘルスプロモーション所長)に話を聞きました。 ダイエット

ダイエットに失敗する人の共通点とは?

 現在、個人向けにダイエットコンサルティングを行っている左藤先生。検査データや食生活を記録して先生に見せた上で、個々人に合わせた対策を提案してもらえるのだそうです。  まずは、肥満な人・ダイエットに失敗する人の共通点を教えてもらいました。
左藤桂子先生

左藤桂子先生

●1.栄養を摂っていない 「やせようと思って食事量は減らしているんですが、全然栄養を摂ってない人が多いんです。例えば、朝食に『春雨サラダ、コーンスープ、コーヒー』、昼食に『パスタ半分』みたいなパターン。ダイエットメニューに見えるかもしれませんが、これではタンパク質・ビタミン・ミネラルなどが足りず、結局やせられません」(左藤先生、以下同じ) そうめん●2.今までの習慣を少しも変えられない 「やせるためには、ちょっとした時間やお金を使う必要があります。でも習慣を手放せない人は、ダイエットに必要なことに手をかけない。今までの自分を変えたくないのです」 例えば“毎日カフェで買ってるコーヒー代を減らせば、ダイエットに必要な栄養サプリが買える”と提案しても、言い訳をして習慣を変えないのだそうです。 「提案に対して、『おもしろい!』と思って取り組める人は、やせることができるんです」 ●3.魔法のようなダイエット法があると思っている 「ダイエットに失敗して肥満になる人は、依存的な人が多いです。一発で簡単にやせられる“夢のような方法”があると思っているんですよね。いろいろな方法やアイテムは、すべて道具でしかありません。魔法は存在しないのです」
左藤先生著書

左藤先生の著書や、登場している女性誌・健康雑誌など

肥満外来の先生が教える「4つのステップ」

 いよいよ、左藤先生が患者さんに指導する、4つのステップを教えてもらいました。先生の言うとおりに実行した人は、「ほぼ100%、ダイエットに成功している」とか!

1.足りない栄養をサプリで摂る

「栄養をちゃんと摂るようにするだけで、食べる量も減りますし、体重が減ります。それは、変なお腹の空き方をしなくなるからなんです。食べる量については、私は一切言いません」  料理して摂ればベストですが、それではハードルが高いので、個々人にあわせてサプリを提案。特にプロテイン(タンパク質)、ビタミン、ミネラルの3種類が多いと言います。「午後の小腹がすいたときに、プロテインを飲むだけでも効果的」だそうですよ。

2.チラコイドという成分を利用して食欲を抑える

 サプリだけでは痩せない場合は「チラコイド」という成分を勧めるのだそうです。これはいったいどのようなものなのでしょうか? 「チラコイドは葉緑素に含まれる組織体で、ほうれん草から抽出されたものが、数年前にスウェーデンで開発されました。論文を読んで注目していたのですが、昨年から日本でも粉末で買えるようになったんです。  単にお腹を膨らませるだけでなくて、『食欲を抑える作用』が実証されているんです。お腹がパンパンにならないと満足しないような人や、加齢で代謝が落ちてやせないという人に、お勧めしています」
チラコイド

チラコイドは、青汁みたいな粉末状

 チラコイドは、粉末を水や牛乳などに溶いて飲むのですが、飲む時間に注意が必要だと言います。 「飲んでから満腹感が出てくるまで30分ほどかかります。だから、食べ過ぎそうな時間の少し前に飲むのが効果的。たとえば、夜の飲み会でつい食べ過ぎてしまうような人は夕方に飲むのがお勧めです。  逆に、朝チラコイドを飲んで昼ご飯を抜くような食生活は、夕飯を食べ過ぎる結果になるのでお勧めできませんね」  プロテインとチラコイドを水で溶いてスムージー状にして、夕飯前に飲んでおくと、さらに腹持ちがよくて効果的だそうです。 「ただし、やみくもに飲むと体が慣れて満腹感が得られなくなってしまいます。また断食状態では、ダイエットは続きません。本来の栄養もきちんと取りながら、併用することが大切です。チラコイドは、適切に飲めば、週3日でも効果的ですよ」

3.水を1日2リットル飲む

水「1日2リットルの水を飲んでトイレで排出することで、新陳代謝を促すのです。老廃物をどんどん外に出して、新しい体にしていくことができます」  水を大量に摂ると“むくみ”が心配になりますが、むくみの原因は塩分であって水じゃないのだそう。お茶でもいいけど、何も加えてない水がベストです。

4.夜3時までには寝て、ぐっすり眠る

 肥満ぎみな人は、睡眠不足の人が多いのだそうです。 「何をしてもやせない人に、睡眠について聞いたら『スマホを見ててソファで寝落ちする』と。やせない原因はそれか! と(笑)。  まずはベッドや布団でちゃんと寝ることが大切です。次に、寝室に空気清浄機を置く。できることなら、週1でも寝室を掃除するほうがいいですね」  なぜなら、快適な寝室でぐっすり眠れば、それだけでダイエット効果があるというのです。 「睡眠中には、脂肪分解作用のある成長ホルモンが分泌されます。特に、眠りについてから3時間が勝負。そこで深く眠れば、成長ホルモンが多く分泌されるんです。しっかり眠ると、寝るだけで1日あたり約300kcalも消費しますが、寝不足だと90kcalほどしか消費しないんですよ」  1日300kcal、1か月で9000kcal。1kgやせるのに必要な消費カロリーは約7200kcalなので、深く眠るだけで月1kgずつ減っていくわけですね。  また、寝る時間については、先生は「深夜3時には寝ているように」とだけ言っているそうです。 「22時から深夜2時が睡眠のゴールデンタイム言われているけど、働いている人には難しいですよね。睡眠は最初の3時間が大事なので、3~6時の間だけでもぐっすり眠るようにしましょう」  1~4のステップ、何だかできそうな気がしてきました! そして、「継続することが大事」と左藤先生。魔法のようなダイエット方法はないと心得て、地道にチャレンジしてみます。 【左藤桂子先生 プロフィール】 佐藤桂子ヘルスプロモーション研究所所長、代表取締役。日本健康増進師協会理事長。メディカルアンチエイジングサロンDorje所長。30年で3万人、減量総重量3トンの肥満治療を行った医師。著書は、10万部を超えた『ダイエット外来の寝るだけダイエット』ほか多数、雑誌・テレビ・ラジオへの出演も多い。 <TEXT/ミノシマタカコ>
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