また、ミニマリストやシンプルライフの流行で、片付け=モノを減らすと思っている人もいるかもしれません。でも、モノが捨てられない人もいます。そういった人への説教もNGだそうです。

作業前の部屋
「モノを捨てられない、ため込み症候群という疾患の場合もあります。こういうのは怒ってもどうにもなりません。ゆっくりトレーニングを重ねるしかないのです」

作業後(約6時間の作業)
不要なものは処分、必要な物は分類し(夏服、冬服、雑貨、本)隣の和室の押入れに収納。カーテンも変えスッキリした部屋になりました
西原さんがアドバイスした中にも、捨てられない人がいたそうです。
「その人は紙袋が捨てられず、部屋の半分が紙袋という状態でした。ご本人は『使うかな』と思って、捨てられなかったんです」
そのときに
「捨てなきゃ」と無理矢理捨てさせようとするのは、相手が心を閉ざしてしまいます。そんなときは、どのくらいの量があるかを把握すると良いそう。
「この方も種類ごとに袋を積んで量がわかるようにしてみたら、『こんなにあるから使うかも』『これは使わないかも』と思ってもらえて。一部は捨てることにつながりました。
可視化することで、心がゆるむようです」
同じものを多くためてしまう人はぜひ、試してみてください。
自分が汚部屋の住民で周りにいつも怒られている人は、ご褒美を設定したり、小さな目標から片付けはじめるところから着手することで、脱・汚部屋への第一歩が踏み出せるかもしれません。
もし一緒に住む人が汚部屋でも、優しい目で一緒に片付けられる方法を模索してあげてくださいね。
【西原三葉さんプロフィール】

西原三葉さん
整理収納アドバイザー1級、産業カウンセラー、栄養士、ライフオーガナイザー1級資格保有。著書に『
「片づけられない…」をあきらめない!―「ADHD」の整理収納アドバイザーが自分の体験をふまえて教える!』(主婦と生活社刊)がある。
カウンセリングルームAUBE代表
<取材・文/ミノシマタカコ>