脱・汚部屋!片付けられない人に、発達障害の整理達人がアドバイス
緊急事態宣言が全国に発出されて、自宅時間が増えたことで、片付けや模様替えをしている人もいるかもしれません。でも片付けが苦手な人の中には、家にいてますますちらかる部屋が苦痛になっている人もいるかも。
「片づけられない…」をあきらめない!―「ADHD」の整理収納アドバイザーが自分の体験をふまえて教える!』(主婦と生活社刊)の著者で整理収納アドバイザーの西原三葉さんに話を聞きました。
ご自身がADHDをカミングアウトしていることもあり、ADHDの疑いを抱いている人や診断された人からの相談が多いという西原さん。
「女性は片付けが出来て当たり前という風潮があります。でも、ADHDなどが要因で片付けが苦手な人たちはほかにも失敗した経験が多く、自尊心が低くなっています。私に片付けを頼んでも、自分の部屋の汚さに『ごめんなさい』と申し訳なさそうに謝る人が多くいるんです」
わかります。汚い部屋を見られた瞬間、申し訳なさ150%になる気持ち……。
「発達障害の特性として、片付けが苦手な人が多いんです。自分も含めADHDは片付けが苦手な人が多いですし、ASDの人はこだわりが強いからこそ片付けがうまくいかないなど、それぞれ特性によって理由があります」
ちなみにADHDとは注意欠陥・多動性障害、ASDとは自閉スペクトラム症という発達障害の一種です。こういった特性に限らず、メンタル面と片付けはリンクしているそう。
「発達障害がなくても、鬱になると片付けが出来なくなります。片付けと心はつながっているんです」
たしかにヤル気がなくなると、片付けがおっくうになるもの。ではどうやったら片付けられるのでしょうか!?
「私の場合、褒めてもらえたことで変わることができました。周りに褒めてもらえるようにしたり、自分にご褒美を設定することで変わるきっかけを作ってみるといいかもしれません」
ご自身も元汚部屋暮らしだったという西原さん。同じような悩みで認知療法を受けている仲間8人に、頑張って片付けた部屋の写真を送り、片付けられるように応援して欲しいと声をかけたのだそう。
「みんなが応援してると思うと、1ヶ月後写真を見せるときにみんなを裏切るわけにいかないと……そんな思いで、片付け続けることができました」
しかも、部屋を片付けたことで発見があったそうです。
「まず、過ごす空間がきれいになるのって、やっぱり快適だったんです。なにより、1ヶ月きれいな状態を維持できたことで自信を持つことができましたし、褒めてもらえたことで、定着につながっていきました。それでも時々、元に戻ってしまいますが(笑)」
逆に一緒に暮らしている人が汚部屋民の場合は、どう対処すればいいでしょうか。
「まずADHD傾向の人の場合は、説教は効果がありません。それで変わってこれたなら、今まで苦労していないのです。だからこそ片付けが苦手な人には、周りの人の協力が欠かせません。まずは寄り添って褒めてあげてください」
イラッとしても怒るのではなく、一緒に片付けが出来る方法を模索する方が良いそうです。
「そして、その方の特性にあわせて、小さなことから片付けが出来るようにしてあげましょう。スモールステップを設定して、一歩ずつ成功体験を重ねて行くことで、自信にもつながります」
どうして片付けられないのか。自らもADHDであることを明かし、ADHDをはじめとした片付けが苦手な人たちに向けてアドバイスを行っている、『片付けと心はつながっている
褒めてもらうようにする
説教はNG
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